『カポディモンテ美術館展』国立西洋美術館〜バロック編
2010.07.15 Thursday 23:00
前回に引き続き、カポディモンテ美術館展の感想を。
『カポディモンテ美術館展〜ナポリ・宮廷と美』 国立西洋美術館
会期 2010年6月26日〜2010年9月26日
ナポリのカポディモンテ美術館の大きな見所は、なんといってもバロック絵画。残念ながら今回の展覧会にはカラヴァッジョ作品は出展されていませんが、彼が活躍した1600年代始めは、ダイナミックで強烈な魅力を放つ作品が多く作られた時代。その中でもローマで活躍したボローニャ派の画家達の絵がこの展覧会の見所の一つです。今回観られるボローニャ派はアンニバーレ・カラッチを柱とするカラッチファミリー、フランチェスコ・アルバーニ、そしてグイド・レーニ。

『アタランテとヒッポメネス』 グイド・レーニ
このグイド・レーニの絵は期待通りの美しい作品で、思っていた以上の大作。そこに二人の美男美女がダイナミックに描かれているのですから、それはもう圧倒されます。
足の速さが自慢の美女アタランテ、言い寄る男達と競争し、彼女が負ければ結婚、彼女が勝てば求婚者は殺されてしまうというオウィディウスの『変身物語』から取材した絵。唯一勝利したのがこのヒッポメネス。追いつかれそうになると、ヴィーナスからもらった黄金のリンゴでアタランテの気を逸らせるという場面。こんな大切な時にリンゴに心奪われるなんて、やはりヴィーナスのリンゴはただのリンゴではないのですね。暗闇に青白く浮かぶ二人の裸体がなんとも妖しく、美しく、すっかり見とれてしまいました
そしてナポリバロックといえば、やはりホセ・デ・リベラとルカ・ジョルダーノの師弟コンビ。

『悔悛するマグダラのマリア』 ホセ・デ・リベラ
私は彼等の描く徹底したリアリズムの絵を愛好しているのですが、今回出展の作品はそのリアリズムからは少し離れたもの。それでもこのマグダラのマリアは観る者に強く訴えるものがあります。

『放蕩息子の帰宅』 ≪羊飼いへのお告げ≫の画家。
この題材は、画家の表現力や描写力といったものがよく顕れるような気がしますが、この今だその名を特定されない画家の力量はかなりのものと感じました。ここにも徹底したリアリズムを観ることができ、好きな作風です。

『ユディトとホロフェルネス』 アルテミジア・ジェンティレスキ
カラヴァッジェスキの代表でもある女流画家が描く、強い女の象徴、ユディト。敵であるホロフェルネスの首を取るという、非常に凄惨な場面を描いているのですが、私は二人の女性の青い衣装と赤い衣装の色彩の美しさに目がいきました。恐ろしいけれど、どことなく優美な作品。こちらよりも、フィレンツェのパラティーナ絵画館にある同じくアルテミジアの『ユディト』のほうが、完全に目が据わって、非常にドスがきいています。あの重厚で暗い美術館の中で観るとかなり怖いです。

という感じで、興味のある作品を挙げるときりがないので、今回の感想はこの辺で。『カポディモンテ美術館展』、京都への巡回が楽しみなのですが、東京美術巡りにすっかりはまった私。会期中にまた上野を訪れるかもしれません。いい絵はなんど観てもあきませんからね。
↓ 夏休みは是非!イタリアの名画に会いに『カポディモンテ美術館展』へ!
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『カポディモンテ美術館展〜ナポリ・宮廷と美』 国立西洋美術館
会期 2010年6月26日〜2010年9月26日
ナポリのカポディモンテ美術館の大きな見所は、なんといってもバロック絵画。残念ながら今回の展覧会にはカラヴァッジョ作品は出展されていませんが、彼が活躍した1600年代始めは、ダイナミックで強烈な魅力を放つ作品が多く作られた時代。その中でもローマで活躍したボローニャ派の画家達の絵がこの展覧会の見所の一つです。今回観られるボローニャ派はアンニバーレ・カラッチを柱とするカラッチファミリー、フランチェスコ・アルバーニ、そしてグイド・レーニ。

『アタランテとヒッポメネス』 グイド・レーニ
このグイド・レーニの絵は期待通りの美しい作品で、思っていた以上の大作。そこに二人の美男美女がダイナミックに描かれているのですから、それはもう圧倒されます。
足の速さが自慢の美女アタランテ、言い寄る男達と競争し、彼女が負ければ結婚、彼女が勝てば求婚者は殺されてしまうというオウィディウスの『変身物語』から取材した絵。唯一勝利したのがこのヒッポメネス。追いつかれそうになると、ヴィーナスからもらった黄金のリンゴでアタランテの気を逸らせるという場面。こんな大切な時にリンゴに心奪われるなんて、やはりヴィーナスのリンゴはただのリンゴではないのですね。暗闇に青白く浮かぶ二人の裸体がなんとも妖しく、美しく、すっかり見とれてしまいました
そしてナポリバロックといえば、やはりホセ・デ・リベラとルカ・ジョルダーノの師弟コンビ。

『悔悛するマグダラのマリア』 ホセ・デ・リベラ
私は彼等の描く徹底したリアリズムの絵を愛好しているのですが、今回出展の作品はそのリアリズムからは少し離れたもの。それでもこのマグダラのマリアは観る者に強く訴えるものがあります。

『放蕩息子の帰宅』 ≪羊飼いへのお告げ≫の画家。
この題材は、画家の表現力や描写力といったものがよく顕れるような気がしますが、この今だその名を特定されない画家の力量はかなりのものと感じました。ここにも徹底したリアリズムを観ることができ、好きな作風です。

『ユディトとホロフェルネス』 アルテミジア・ジェンティレスキ
カラヴァッジェスキの代表でもある女流画家が描く、強い女の象徴、ユディト。敵であるホロフェルネスの首を取るという、非常に凄惨な場面を描いているのですが、私は二人の女性の青い衣装と赤い衣装の色彩の美しさに目がいきました。恐ろしいけれど、どことなく優美な作品。こちらよりも、フィレンツェのパラティーナ絵画館にある同じくアルテミジアの『ユディト』のほうが、完全に目が据わって、非常にドスがきいています。あの重厚で暗い美術館の中で観るとかなり怖いです。

という感じで、興味のある作品を挙げるときりがないので、今回の感想はこの辺で。『カポディモンテ美術館展』、京都への巡回が楽しみなのですが、東京美術巡りにすっかりはまった私。会期中にまた上野を訪れるかもしれません。いい絵はなんど観てもあきませんからね。
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