『カポディモンテ美術館展』国立西洋美術館〜ルネッサンス編
2010.07.12 Monday 00:54
さて、ようやく『カポディモンテ美術館展』について書くことができます。
心待ちにしていたこの美術展を観るため、大阪から東京まで行ってまいりました。
『カポディモンテ美術館展〜ナポリ・宮廷と美』 国立西洋美術館
会期 2010年6月26日〜2010年9月26日
イタリア・ナポリの丘の上に建つ、カポディモンテ美術館。ここにはファルネーゼ家が収集した数々の名画が納められています。その中でもファルネーゼ家が輩出した教皇パウルス3世をパトロンとしたティツィアーノのコレクションは、ファンであれば一度は目にしたいもの。
今回はそのティツィアーノの作品1点を含む80点が来日。ナポリ側は、貸出しするにあたって、主に女性を描いた作品をセレクトしたということですが、確かに魅力的な女性像がたくさんみられました。
マンテーニャ『ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像画』から始まり、コッレッジョ『聖アントニウス』へ。二者とも小品ではありますが、それぞれの個性が発揮された作品。そして盛期ルネッサンス、後期マニエリスムの馴染みの画家ブロンツィーノやガロファロたちの絵が登場します。

ここで注目したのは、やはりパルミジャニーノの『貴婦人の肖像(アンテア)』です(『パルミジャニーノの自画像』はこちら)この女性、パルミジャニーノも魅了されたローマの高級娼婦アンテアであるという説や、高貴な家柄の女性、あるいは花嫁という説があるそうですが、私個人的には衣装や雰囲気、また絆や従順を表す鎖に手をかけているところから、結婚を控えた良家の女性の肖像画なのではないかと想像しています。それにしても、若いけれど少し疲れたような目元、色気があるようなないような、なんとも言葉にし難いアンバランスさがあり、これがマニエリスムの天才パルミジャニーノの絵の魅力なのかもしれません。
そして、私が今回の展覧会で一番心に残った絵がこちら。

エル・グレコ『燃え木でロウソクを灯す少年』
燃え木に息を吹きかける少年の表情があまりにもリアル。何気ない日常のワンシーンに光と闇の濃厚なコントラストを見事に生かし表現した一枚。独特すぎる画風を持ったエル・グレコですが、この絵は何故か私の心をとらえました。
そして、やっぱりこの絵も。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『マグダラのマリア』
ティツアーノ描くマグダラのマリアはいくつかありますが、この作品の特徴は縞の衣装にあります。この衣装は他では見たことがないような。そしてなにより、マリアが身を置く荒野の空気感が見事に感じられるのがすごい。ティツィアーノのさすがの一枚です。

他には、ソフィニスバ・アングィッソラ『スピネッタに向う肖像画』
この時代にはまだ珍しい女流画家の彼女ですが、アクの強いクレモナ派の画風から抜け出しつつある、なかなか魅力的な肖像画。ちょっとマニアックですが、今回の出会えて嬉しい一枚。

番外では、ジョルジョ・ヴァザーリ『キリストの復活』が忘れらない。まるでピースサインをしながら走るマラソンランナーのように描かれたキリスト(注:本当はピースではありません)。ヴァザーリという人はマルチな才能を持った芸術家ですが、相当なお調子ものやったんちゃうやろかといつも思わせるのです。
ここまででも十分に楽しめましたが、引き続きバロック絵画へ。それはまた次回。
↓ 皆様も是非カポディモンテの名画を楽しんで下さいませ♪
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心待ちにしていたこの美術展を観るため、大阪から東京まで行ってまいりました。
『カポディモンテ美術館展〜ナポリ・宮廷と美』 国立西洋美術館
会期 2010年6月26日〜2010年9月26日
イタリア・ナポリの丘の上に建つ、カポディモンテ美術館。ここにはファルネーゼ家が収集した数々の名画が納められています。その中でもファルネーゼ家が輩出した教皇パウルス3世をパトロンとしたティツィアーノのコレクションは、ファンであれば一度は目にしたいもの。
今回はそのティツィアーノの作品1点を含む80点が来日。ナポリ側は、貸出しするにあたって、主に女性を描いた作品をセレクトしたということですが、確かに魅力的な女性像がたくさんみられました。
マンテーニャ『ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像画』から始まり、コッレッジョ『聖アントニウス』へ。二者とも小品ではありますが、それぞれの個性が発揮された作品。そして盛期ルネッサンス、後期マニエリスムの馴染みの画家ブロンツィーノやガロファロたちの絵が登場します。

ここで注目したのは、やはりパルミジャニーノの『貴婦人の肖像(アンテア)』です(『パルミジャニーノの自画像』はこちら)この女性、パルミジャニーノも魅了されたローマの高級娼婦アンテアであるという説や、高貴な家柄の女性、あるいは花嫁という説があるそうですが、私個人的には衣装や雰囲気、また絆や従順を表す鎖に手をかけているところから、結婚を控えた良家の女性の肖像画なのではないかと想像しています。それにしても、若いけれど少し疲れたような目元、色気があるようなないような、なんとも言葉にし難いアンバランスさがあり、これがマニエリスムの天才パルミジャニーノの絵の魅力なのかもしれません。
そして、私が今回の展覧会で一番心に残った絵がこちら。

エル・グレコ『燃え木でロウソクを灯す少年』
燃え木に息を吹きかける少年の表情があまりにもリアル。何気ない日常のワンシーンに光と闇の濃厚なコントラストを見事に生かし表現した一枚。独特すぎる画風を持ったエル・グレコですが、この絵は何故か私の心をとらえました。
そして、やっぱりこの絵も。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『マグダラのマリア』
ティツアーノ描くマグダラのマリアはいくつかありますが、この作品の特徴は縞の衣装にあります。この衣装は他では見たことがないような。そしてなにより、マリアが身を置く荒野の空気感が見事に感じられるのがすごい。ティツィアーノのさすがの一枚です。

他には、ソフィニスバ・アングィッソラ『スピネッタに向う肖像画』
この時代にはまだ珍しい女流画家の彼女ですが、アクの強いクレモナ派の画風から抜け出しつつある、なかなか魅力的な肖像画。ちょっとマニアックですが、今回の出会えて嬉しい一枚。

番外では、ジョルジョ・ヴァザーリ『キリストの復活』が忘れらない。まるでピースサインをしながら走るマラソンランナーのように描かれたキリスト(注:本当はピースではありません)。ヴァザーリという人はマルチな才能を持った芸術家ですが、相当なお調子ものやったんちゃうやろかといつも思わせるのです。
ここまででも十分に楽しめましたが、引き続きバロック絵画へ。それはまた次回。
↓ 皆様も是非カポディモンテの名画を楽しんで下さいませ♪
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