『THE ハプスブルク』スペイン・北方絵画編
2010.02.16 Tuesday 23:43
引き続き、『THE ハプスブルク展』について。今回が最後ですので、どうぞお付合い下さいませ。(京都国立博物館 会期 2010年1月6日〜3月14日)
イタリア絵画から始まり、そのあとスペイン絵画、北方ルネッサンスへと続きます。各セクションから、私の好きな絵画を数点ご紹介を。
スペイン絵画からは、ジュゼッペ・デ・リベラをアップしたいところですが、私の好きな庶民を描いた、徹底したリアリズムが発揮された時代の絵ではなかったので、ここはやはりベラスケスで。とはいえ、リベラの『聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ』が見事な絵には違いないのですが。

ディエゴ・ベラスケス【食卓につく貧しい貴族】
私はどちらかというと、王家の肖像画よりもボデゴンが好きなので、この作品は大変興味深いものでした。特にテーブルの上に何が載っているのか、彼らが食しているのはどんなものなのかと、とくと観賞。中央のお皿には干し魚とオレンジ?静物画としても見事です。
今タイトル書いて知ったのですが、この3人は貴族なのですね。食堂で話し込む3人の男性、いかにもスペイン人といったくっきりとした容貌が、極めてリアルに描かれています。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ【幼い洗礼者聖ヨハネ】
ムリーリョというと、どうしても【無原罪のお宿り】のイメージで、乙女チックな作品を思い浮かべます。今回出展の3作品も独特の甘い雰囲気はありますが、力強さや落ち着きがあり、『聖家族』には穏やかな精神性が観られ、少しイメージが変わりました。この洗礼者ヨハネもなんとも愛らしいのですが、表情は既に大人のそれですね。眼力がすごいです。彼のアトリビュートの子羊がまたかわいいのです。
他にも、こちらはやはり別格?エル・グレコ『受胎告知』や、妙に美男子の描かれたヨセフが印象的なスルバラン『聖家族』など、個性派揃いのスペイン絵画。見所いっぱいです。
ドイツ絵画のセクションでは、やはり巨匠アルブレヒト・デューラーが見事。以前にも日本にやってきていた【若いヴェネツィア女性の肖像】が魅力的です。髪型、衣装、ジュエリーも当時の流行を表しているのでしょうか、とても興味深いです。

ルーカス・クラナッハ【洗礼者ヨハネの首を持つサロメ】
でも、私の好みはこちら、クラナッハ。彼の描く女性はいつも、幼い少女のようにも、妖艶な悪女のようにも見えます。そのアンバランスさが魅力なのでしょうね。そしてこの精緻な線描写は圧巻。こちらの衣装、ジュエリーにもくぎづけです。
やや線の硬いドイツ絵画から、洗練されたフランドル・オランダ絵画へ。

バルトロメウス・スプランゲル【ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍える】
このタイトルは???無性に気になって、帰りに図録を購入しました。
手前の二人は、葡萄酒の神バッカスと農耕の女神ケレス。後ろにはキューピッドと一緒に焚き火にあたる凍えそうなヴィーナス。つまりワイン(バッカス)とパン(ケレス)がないと、愛も冷めるということだそうです。面白い!それにしもこの長〜い肢体、究極のマニエリスムの美ですね。

ペーテル・パウル・ルーベンス【悔悛のマグダラのマリアと姉マルタ】
巨匠ルーベンスとその工房作から3点。
ここに登場するマグダラのマリアは他のマリアとあえて混同されているようですが、なんといっても見所はその大胆な構図と、鮮やかなまでの衣装の描写。この辺りはやはりヴェネツィア派の影響を感じるのですが。他の2作品がそれぞれまた違った雰囲気の作品で、ルーベンスの才能の広がりを感じることができます。

そしてこのセクション一押し。
アンソニー・ヴァン・ダイク【神父カロルス・スクリバーニの肖像】
ルーベンスの弟子であるヴァン・ダイク。彼も独自の路線を見出し、それを最高のものにしています。やはりなんといっても肖像画。今回は4作品出展されていますが、この【神父カロルス・スクリバーニの肖像】は絶品です。とても知的で、そして厳格で、でも心優しい信仰心厚い神父...なんて想像力が膨らむ美しい肖像画。私の好きなショーン・コネリーに似てるわぁ、なんて。やはり、ヴァン・ダイクは素晴らしい。
さて、長々と描きましたが、このところ美術館へ行く時間がとれないので、こうして一つの美術展を噛みしめながら楽しんでおります。また、お近くの方は是非足をお運び頂いて、本物の持つエネルギーを感じていただきたいものです。
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イタリア絵画から始まり、そのあとスペイン絵画、北方ルネッサンスへと続きます。各セクションから、私の好きな絵画を数点ご紹介を。
スペイン絵画からは、ジュゼッペ・デ・リベラをアップしたいところですが、私の好きな庶民を描いた、徹底したリアリズムが発揮された時代の絵ではなかったので、ここはやはりベラスケスで。とはいえ、リベラの『聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ』が見事な絵には違いないのですが。

ディエゴ・ベラスケス【食卓につく貧しい貴族】
私はどちらかというと、王家の肖像画よりもボデゴンが好きなので、この作品は大変興味深いものでした。特にテーブルの上に何が載っているのか、彼らが食しているのはどんなものなのかと、とくと観賞。中央のお皿には干し魚とオレンジ?静物画としても見事です。
今タイトル書いて知ったのですが、この3人は貴族なのですね。食堂で話し込む3人の男性、いかにもスペイン人といったくっきりとした容貌が、極めてリアルに描かれています。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ【幼い洗礼者聖ヨハネ】
ムリーリョというと、どうしても【無原罪のお宿り】のイメージで、乙女チックな作品を思い浮かべます。今回出展の3作品も独特の甘い雰囲気はありますが、力強さや落ち着きがあり、『聖家族』には穏やかな精神性が観られ、少しイメージが変わりました。この洗礼者ヨハネもなんとも愛らしいのですが、表情は既に大人のそれですね。眼力がすごいです。彼のアトリビュートの子羊がまたかわいいのです。
他にも、こちらはやはり別格?エル・グレコ『受胎告知』や、妙に美男子の描かれたヨセフが印象的なスルバラン『聖家族』など、個性派揃いのスペイン絵画。見所いっぱいです。
ドイツ絵画のセクションでは、やはり巨匠アルブレヒト・デューラーが見事。以前にも日本にやってきていた【若いヴェネツィア女性の肖像】が魅力的です。髪型、衣装、ジュエリーも当時の流行を表しているのでしょうか、とても興味深いです。

ルーカス・クラナッハ【洗礼者ヨハネの首を持つサロメ】
でも、私の好みはこちら、クラナッハ。彼の描く女性はいつも、幼い少女のようにも、妖艶な悪女のようにも見えます。そのアンバランスさが魅力なのでしょうね。そしてこの精緻な線描写は圧巻。こちらの衣装、ジュエリーにもくぎづけです。
やや線の硬いドイツ絵画から、洗練されたフランドル・オランダ絵画へ。

バルトロメウス・スプランゲル【ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍える】
このタイトルは???無性に気になって、帰りに図録を購入しました。
手前の二人は、葡萄酒の神バッカスと農耕の女神ケレス。後ろにはキューピッドと一緒に焚き火にあたる凍えそうなヴィーナス。つまりワイン(バッカス)とパン(ケレス)がないと、愛も冷めるということだそうです。面白い!それにしもこの長〜い肢体、究極のマニエリスムの美ですね。

ペーテル・パウル・ルーベンス【悔悛のマグダラのマリアと姉マルタ】
巨匠ルーベンスとその工房作から3点。
ここに登場するマグダラのマリアは他のマリアとあえて混同されているようですが、なんといっても見所はその大胆な構図と、鮮やかなまでの衣装の描写。この辺りはやはりヴェネツィア派の影響を感じるのですが。他の2作品がそれぞれまた違った雰囲気の作品で、ルーベンスの才能の広がりを感じることができます。

そしてこのセクション一押し。
アンソニー・ヴァン・ダイク【神父カロルス・スクリバーニの肖像】
ルーベンスの弟子であるヴァン・ダイク。彼も独自の路線を見出し、それを最高のものにしています。やはりなんといっても肖像画。今回は4作品出展されていますが、この【神父カロルス・スクリバーニの肖像】は絶品です。とても知的で、そして厳格で、でも心優しい信仰心厚い神父...なんて想像力が膨らむ美しい肖像画。私の好きなショーン・コネリーに似てるわぁ、なんて。やはり、ヴァン・ダイクは素晴らしい。
さて、長々と描きましたが、このところ美術館へ行く時間がとれないので、こうして一つの美術展を噛みしめながら楽しんでおります。また、お近くの方は是非足をお運び頂いて、本物の持つエネルギーを感じていただきたいものです。
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