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POPPI〜イタリアの小さなボルゴ
2009年6月に訪れたイタリアの美しいボルゴ、ポッピ(ポッピー)はフィレンツェから47km、アレッツォから35km、トスカーナの山岳地域カゼンティーノにある小さな村です。ボルゴ内に住む住民はわずか400人ほどで、昼食後のこの時間、村全体が午睡中のようで、ほとんど人影がありませんでした。

ポッピ〜マドンナ・デル・モルボ教会
小さなボルゴの中を歩くと、まず目に入るのがこのマドンナ・デル・モルボ教会。1659年に建てられたこの教会、なんだかフィレンツェの大聖堂を思い起こさせる立派なクーポラ。でも教会自体はとっても小さくて、まるでミニチュアのような可愛らしい佇まい。でもちゃんと周りをロッジアで囲んで、なかなか凝った作りなのです。内部にはフィリッピーノ・リッピの『聖母子と聖ヨハネ』があります。

ポッピ〜カステッロ・ディ・コンティ・グイディ
さらに坂を上ってたどり着いたのが、コンティ・グイディ城です。
12〜13世紀の時代、皇帝アッリーゴ6世の命によりトスカーナ一帯を治めていた封建領主コンティ・グイディの下、ポッピはカゼンティーノ地域の行政の中心地でした。
このお城もどことなく、フィレンツェのヴェッキオ宮殿に似ていませんか?
それもそのはず、このお城はフィレンツェの大聖堂の初期プランやサンタ・クローチェ教会、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会等、多くの建築や彫刻を手掛けたアルノルフォとラーポのディ・カンビオ一家が手掛けたもので、ヴェッキオ宮殿の原型となる13世紀に建てられたお城なのです。

ポッピ〜カンパルディーノの戦い
この時代、イタリアの都市間や都市内部では、人々はグエルフィ(教皇派)とギッベリーニ(皇帝派)に分かれ、争いが絶えませんでした。1289年、フィレンツェ対アレッツォ、つまり教皇派vs皇帝派の決戦の場に選ばれたのがこのポッピの眼下に広がる平原、カンパルディーノです。かの『神曲』をものしたダンテ・アリギエーリもグエルフィ党の一員として従軍したこの『カンパルディーノの戦い』。2万人が戦い、5千人の命が失われたといいます。
因みに昼食をとったリストランテの名は”カンパルディーノ”でした。

ポッピ〜カンパルディーノの戦いの陣形
ポッピの村にあるカステッロ内部には、この戦に因んだものが多く展示されていて、戦いの陣形を再現した模型までありました。紋章も、様々な意匠があって面白いです。
他にも昔の恐ろしい牢獄や華麗に彩色された祝祭の間など、いくつか見所があるのですが、最も重要と思われるのがリッリアーナ歴史図書館です。

ポッピ〜リッリアーナ歴史図書館
名の由来は蔵書の所有者リッリ・オルシーニ伯爵で、中世の写本や貴重なインキュナブラなど約100冊を含む、2万5千冊もの貴重な蔵書が保管されています。内部は撮影禁止だったのですが、古い本の匂いがなんともいえず、本好きの私にはワクワクする空間。

そしてもうひとつ、コンティ・グイディ礼拝堂に描かれたフレスコ画も必見。

ポッピ〜タッデオ・ガッディのフレスコ画
ここに、ジョットの弟子タッデオ・ガッディ作と思われる一連のフレスコ画が残されています。まさにジョットを彷彿とさせる画風、そして天井には美しいジョットブルー。少々痛んでいる部分もありますが、保存状態はなかなか良いのではないでしょうか。

ポッピ〜カスッテロの塔からの眺め
最後にカステッロの塔頂上から見たポッピの眺め。
この平原で、遥か昔多くの兵士たちが戦をしたのですね。今では緑濃く、遠くに望むカゼンティーノの山々も美しい、穏やかな風景が広がっています。


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| Ayumi | イタリア旅行 | comments(10) | - |
Comment
2010/01/14 11:36 PM posted by: akira
いやぁー、感動的でドラマチックなボルゴのお話と素敵な
お写真を楽しませていただきました。
なんだか余韻の残るいい歴史ドラマのダイジェスト版を
堪能した気分に浸れ、ありがとうございました!
2010/01/15 12:51 AM posted by: forchetta
こんばんは、Ayumiさん。
すごいすごい!
こんな記事を見たらたまらなくここに行ってみたくなります。
そして、前回の記事の本、ご紹介ありがとう。
2010年度版が出たら買います。




2010/01/15 6:03 AM posted by: cucciola
Ayumiさま、

こんばんは。
人口400人の街にしては見どころ満載ですね。さすがトスカーナ!歴史の内容も濃厚ですね!
街がそれぞれ紋章であらわされている説明、ちょっと心ひかれてしまいました。それから、ディ・カンビオ一家というのも大変気になります。建築家の一家なんでしょうか。
Ayumiさんやshinkaiさんをはじめとする様々なかたのブログを拝見していると、知りたいことがどんどん増えてしまって時間がますます足りなくなりそうです!
2010/01/15 9:59 PM posted by: アシュトン
拝見させていただきました。
応援ポチポチ!
2010/01/16 12:21 AM posted by: Ayumi
akiraさん、こんばんは♪

こちらこそありがとうございます、楽しんで頂けてうれしいです!
イタリアは今も古い建物が残るところが多いですので、
その歴史を想像しながら楽しむことができますね。
フィレンツェなどは、それはもうめまいがするほどですから。
写真は折角なのでもっと大きく載せたいのですけれど、先のことを考えると容量が厳しいので、少々小さめにしています。もっと写真の腕前を上げねば、なのですが。


forchettaさん、こんばんは♪

ありがとうございます。
行ってみたいと思っていただけたら、書いた甲斐があります。
このPOPPIは、(以前記事にしました)カマルドリ修道院と合わせて訪れて頂きたい所です。この日は本当に盛りだくさんの一日でした。
ボルゴのガイドブックはお薦めです!ボルゲットも載っていますよ♪


cucciolaさん、こんばんは!

そうですか、見所が多いのはトスカーナだからというのもあるのですね。
アルノルフォ・ディ・カンビオはフィレンツェの大聖堂や重要建築物の監督などを務めた13世紀の人物で、建築家・彫刻家として知られていますよ。
そして、私も同じくです!
あれもこれもと関心事が増えて、時間がいくらあってもたりませんが、これは嬉しい悩みですね。しかも電子辞書を買ってからは、本を読むのが楽しくって♪時間をみつけてはサクサク検索していま〜す。


アシュトン様、はじめまして

ご覧下さってありがとうございます。
ポチっとクリックもありがとうございました!
2010/01/16 12:45 AM posted by: Ayumi
forchettaさんへ

昨年11月号のBell’Italiaの表紙で、カゼンティーノの朝霧に浮かぶ丘がこのPOPPIです!カステッロにも是非ご注目くださいませ〜
2010/01/17 5:13 PM posted by: shinkai
こんにちは! そうそう、以前のカマドリ修道院の記事で拝見して、これは面白そう、と思っておりましたら、秋に買ったダンテの家のガイドブックにも載っておりました。
この秋にぐるっと回る時に、寄れるかもしれないので楽しみにしています。
図書館も良いですねぇ! 
2010/01/17 7:35 PM posted by: りゅう家のBB
イタリア,最初に訪れた時は、大きな町ローマ、フィレンツェ等。数回足を運んでいると、イタリアも小さな町に目が行きますね。
ここも素敵。これは、↓のガイドブックから見つけたの?
礼拝堂の絵は 絵だけをみたら、「絶対にジョットだわ!」と思ったのに、違いました。でも、このブルーはいつ見ても綺麗ですね。
マドンナ・デル・モルボ教会は、ずいぶん新しく見えますね。
修復をしたばかりなのかしら?
小さな町でも、町そのものを美しく保存していますね。
2010/01/17 11:18 PM posted by: forchetta
こんばんは、Ayumiさん。

11月号の Bell'Italia 早速見ました。
表紙の、霧の中に浮かびあがる風景は確かにPoppi!
この月刊誌の写真にはいつもうっとりさせられるのですが、
表紙は特に素敵ですよね。
改めて記事も読み、カマルドリ修道院とも関連づけられました。
Grazie mille!

2010/01/18 12:20 AM posted by: Ayumi
shinkaiさん、こんばんは!

このカゼンティーノ地域は、雄大な自然あり、深い歴史あり、ジビエも美味しい、と三拍子揃って素晴らしいところですね。
図書館はいいです!変な話ですが、小さい頃から図書館や書店に行くとお腹が痛くなります。これって、嬉しくって興奮するからかなぁなんて笑っていますが、不思議です。


BB様、こんばんは!

ローマやフィレンツェももちろん素敵で、何度行っても飽きないのですが、小さな町には別の良さがありますね。特に私は極度に人ごみと行列が苦手なので、そこから抜け出すとホッとします。
このポッピは訪れてからあとで↓のガイドブックを読んだのです。
なので、そうなんや!とか、あちゃ〜見落とした!といったことがいっぱい。だからついついリピートしたくなるんですよね〜
フレスコ画のブルーは本当に綺麗ですね、特にジョットの青は忘れがたいです。


forchettaさん、こんばんは

Bell'Italia、早速見て下さってありがとうございました!
この雑誌の写真は本当に素晴らしいです。
私はまだ定期購読をしていないので、早く買いに行かねば!な〜んて。
この雑誌や↓のガイドブックを読むと、「レンタカーしたらもっと行動範囲が広がるなぁ」と、さらに心配の種を増やすこと考えてしまうので、あきません。
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