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美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
イタリア出張を終え1ヶ月以上たちますが、好きな美術は完全にお預け状態。根を詰めてもはかどらないし、初回納品を終え少し落ち着いたので行ってきました、美術館へ!

いつもなら限られた時間で一つ何を観ようかと迷うところですが、今回は迷わず兵庫県立美術館で開催中の『レンピッカ展』へ。洋の東西を問わず古典が好きな私ですが、イタリアの我が美術の先輩からお勧め頂いていたレンピッカ、これを見逃してはと行ってまいりました。

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
会期 2010年5月18日〜2010年7月25日

タマラ・デ・レンピッカ(Tamara de Lenpicka 1898-1980)。ワルシャワの良家に生まれ、ロシアとスイスで過ごしたのち結婚。ロシア革命のため、夫と共にパリへ亡命し、”狂乱の時代”と呼ばれる1920年代のパリで活躍した女流画家です。
楽しみにしていたのは、彼女の代表作『緑の服を着た女』。そしてHPを観てこれは?と目を奪われた『ロシア人の踊り子』

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
初期の作品として飾られたその踊り子の絵を実際に目にして、やはり実感しました。フェッラーラ派の作風だと。デフォルメされた、アクの強い、強烈に惹き付けられる魅力を発するフェッラーラ宮廷の絵が現代によみがえったようです。

彼女はまだ若い頃、祖母に連れられて訪れたイタリアで、ルネッサンスやバロックの巨匠たちから強い影響を受けたようです。そうして観ていくと、ほとんどの絵に、ミケランジェロやブロンツィーノなどイタリア絵画の巨匠や、ファン・エイクなどフランドル派の影響が見て取れます。現代の絵に過去の面影を探すなど野暮なことかもしれませんが、彼女の絵はそれが明確に見て取れるので、ついつい...。でも、彼女はそれをしっかりと自分のものとして昇華していました。

続く画面からはみ出さんばかりにダイナミックに描かれた人物たちに、かなり夢中になりました。デフォルメされた中にも、写実性が生きていて、かなりドきつい色彩と線描写なのに、そこはかとなく品の良さを感じるのは、やはり彼女の絵のルーツとなっている古典のお陰なのかもしれません。彼女の最初の夫『タデウシュ・デ・レンピッキの肖像』の、上質さがみてとれる装いの表現など見事の一言。

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
印象に残っている”白の交響曲”ともいわれる『初めて聖体を拝領する少女』は、レンピッカが自身の娘キゼットを描いた作品。白い衣装をまとい、視線を宙に向けるその表情は、まるで宗教画の法悦のシーンのようで。そうしてみると、アール・デコの女性像と言われる彼女の肖像画の人物は皆そうなのかも?

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
そしてフライヤーにも使われている『緑の服を着た女』。現代で緑をこうまで鮮やかに用いた作品は初めてみたような気がします。こちらも娘キゼットを描いたもの。自分の娘をこれほど官能的に描けるなんて、さすが芸術家。過去の自分を投影し描いたに違いない、という説明文に納得します。

一時期、完全に忘れ去られた彼女ですが、晩年彼女の作品に目を留めた人物がいたことで再び注目され、高い人気を得るようになったということです。そしてこうして世界で、遠い日本で展覧会を開催されるようにまでなるとは、画家の評価とは実力のみならず、運命というものがあるのだと思わせます。それは作品がこの世に残る限り続くのでしょうね。


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イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2009
今年も楽しみにしていたイタリア・ボローニャ国際絵本原画展(西宮市・大谷記念美術館)
<BOLOGNA FIERA DEL LIBRO PER RAGAZZI>
会期 2009年8月22日〜9月27日

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2009
訪れてから2週間、なかなか記事にできずにおりましたが、ようやくアップできました。
平日の閉館間近、来館者も少なくマイペースで観賞を。
一番楽しみにしていたのは、ポスターを観たときから、かわいい!!と、すでにファンになっていたこちらの猫ちゃん。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2009
今井彩乃さんの『くつやのねこ』。赤い靴をはいた猫は、『長靴をはいた猫』を彷彿とさせますが、こちらの絵本はそれとはまったく違うストーリー。(詳しくは書きませんが)こんなにかわいい猫も、その性には逆らえないのね...それでもかわいい猫ちゃんなのです。
お母さんと一緒に観ていた小学生の女の子が一言、
「お母さん、わたし生まれ変わったら猫になりたいなぁ」
お嬢さん、私もです。

今回メモを取っておらず、気に入った作家さんの名前を控えていないので、細かくは描けませんが、日本人とイラン人の方の作品が多かったことに驚きました。以前からその傾向はありましたが、今回はこれまで以上で、日本人は81名中18名。それにイタリア人を加えると、3分の1程を占めているのでは?と思うほど。これには何か理由があるのでしょうか?

そして、もう一つ感じたことが、作品の多くが色彩に乏しいということ。
今、大人の間でも絵本が読まれ、愛好され、私ももちろん絵本が大好きです。
でも、私はやはり絵本はあくまで子供のためのものである、と思っています。
今回何度も疑問に思ったのは、この絵本を子供が読んで果たしてどう感じるんだろう?ということ。5点1組という、絵本の中の一部のイラストで構成された展示なので、ストーリー全てが理解できるわけではないけれど、あまりにも暗い色調で、意味深すぎる表現に少々戸惑ったというのが本音です。絵本は大人が子供の心を持って描くのだと教えて頂きましたが、そういう意味でいうと、大人が大人の心で描いた作品が多い、ということなのかもしれません。

とはいえ、もちろん!素敵な作品もたくさんありました。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2009
展示ではあまり印象に残っていないのに、絵葉書をみて気にいった森内未来さんの『くまさんと会ったくまさん』。印刷されたものを見ると、その明るい色彩に楽しくなります。

猫好きの私はやはり猫に目がいきます。中村博之さんの『かげぼうし、どこ行った?』は、自分のかげぼうしを見失ってしまった猫ちゃんのストーリーが、なかなか小粋。

そして、イタリア人作家さん(名前を失念!)の食事をする動物を描いた作品は、シンプルなのにとても目を惹く表現で、かなり玄人好み。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2009
なんといっても、特別展示のロベルト・インノチェンティさんの作品が素晴らしい。国際アンデルセン賞画家賞を受賞した彼の作品は、緻密な技法に、情緒豊かな表現。そこには楽しいことも、悲しいことも、そして夢も、現実も全てがあります。様々な世界を感じ、垣間見ることができるその作品は、さすがです。
なんだかんだと書きましたが、やはり楽しい絵本展。会期も残りわずかですが、原画に触れる貴重な機会、お近くの方は是非。

当ショップおすすめの絵本はこちら → イタリアの絵本
やはり絵本は、大人以上にたくさんの子供たちに読んでもらいたいものですね。


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『だまし絵展』兵庫県立美術館
兵庫県立美術館で始まった展覧会に行ってまいりました。

『だまし絵展』兵庫県立美術館
『だまし絵〜アルチンボルドからマグリット、ダリ、エッシャーへ』
会期 2009年8月26日〜11月3日 兵庫県立美術館

今回の目玉はこのジュゼッペ・アルチンボルド作『ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)』のようです。長い企画の間、所蔵している美術館へオファーを重ね、ようやく貸出の承諾を得たのが、このスウェーデンスコークロステル城所蔵のアルチンボルドだったそうです。奇抜で独創的な彼の絵を、政治を顧みず世界中から珍品を収集した君主は大層喜んだとか。自分の姿をかぼちゃ頭で描かれて喜んだんですから、相当変わった皇帝だったのでは?

私が、おぉ!と面白く感じたのが、アナモルフォーズ(ゆがんだ絵)
ドメニコ・ピオラ作『ルーベンスの≪十字架昇架≫の場面のあるアナモルフォーズ』
筒状の鏡を絵の中央に置き、その鏡を見てやっと何が描かれているのかがわかります。
こんな絵、いったいどうやって描いたのか、不思議。本当に面白いことを考えるものです。

『死を想え−ヴァニタス』18世紀のイタリアの画家

『だまし絵展』兵庫県立美術館
絵の中に描かれた絵、背景の板やキャンバスがまさに本物そのものに見えるから不思議。
他にもだまし絵の帝王ヘイスブレヒツが描いた、トロンプルイユの静物画が秀逸。

デ・スコット・エヴァンズ『インコへのオマージュ』

『だまし絵展』兵庫県立美術館
南米からやってきて20年、フランス語をマスターしたインコに捧げた絵。
割れたガラスが、生き生きとしたインコの肖像画を、よりリアルなものにしています。

アレグザンダー・ポープ『エサをやらないでください』
檻に入れられた5匹のわんちゃん。いかにも網を破って出たい!という風情。
これはエサあげたくなっちゃいますよ〜

日本のだまし絵では、やっぱり浮世絵師たちのお茶目な作品が楽しい。
歌川芳藤『五拾三次内猫之怪』

『だまし絵展』兵庫県立美術館
これも一種アルチンボルド風?

歌川広重『即興かげぼしづくし』

『だまし絵展』兵庫県立美術館
これはもう名人芸。広重はきっと、とても頭のやわらかいお人だったのだろうと思う。
ただただ笑って楽しもう。

私が一番見ごたえがあると感じたのが、現代美術の巨匠マグリット、ダリ、エッシャー。
ルネ・マグリット『白紙委任状』

『だまし絵展』兵庫県立美術館
マグリットの絵を観て、なにか隠された意味があるのかと探ってみても何もわからない。
事実マグリット自身も「私の絵に、何かの象徴を探してほしくない」と語っている。彼は、彼の心に浮かんだ詩を絵にしたのであって、何かを意味を込めたわけではない。だから観る私たちもその不思議さを単純に楽しめばいい。とはいえ、意味深なタイトルですよね。

スペインの巨匠、サルバドール・ダリ『スルバランの頭蓋骨』

『だまし絵展』兵庫県立美術館
風変わりなものが好きな私は、彼の大胆奇抜な作品も大好き。
今回は3作品出展されていましたが、これからも彼の絵を少しずつ観ることができると嬉しいな。

おそらく皆が一番興味深々で楽しんだのは、パトリック・ヒューズの『水の都』
ヴェネツィアの風景を、コラージュで巧みに立体的に見せています。みんな右へ左へ動いたり、しゃがんでみたり。家族連れや若いカップルたちが多く、皆さんその不思議さに驚き、試していました。この展覧会は、単純にそのだましの技法を楽しむのがよいようです。
とにかく不思議がいっぱい、まさに”わが目を疑え。”なのです。


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ピカソとクレーの生きた時代展〜兵庫県立美術館
兵庫県立美術館で開催中の『20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展』

  会期 2009年4月10日〜5月31日

兵庫県立美術館〜ピカソとクレーの生きた時代展
ドイツ・デュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が、改修で休館するため、今回の日本からのオファーをOKしたとか。なかなか貸出しをしない、ピカソの大作も来日しています。

20世紀美術をコレクションしている通称”K20”。パブロ・ピカソに、アンリ・マティス、マルク・シャガール、エルンスト、カンディンスキーなどなど、そうそうたる画家の選び抜いた絵を所蔵しています。特にこの美術館の原点、パウル・クレーの絵がメイン。
モダン・アートをあれこれ語るのは無粋ですが、私が好きだなっと思った絵と印象をご紹介。

フランツ・マルク『3匹の猫』
フランツ・マルクの『3匹の猫』
この躍動感、存在感、哀愁、そして色彩が絶妙で、今回一番のお気に入り作品。

マルク・シャガール『祝祭日』
マルク・シャガール『祝祭日』
こちらはかなり色味を抑えた、シャガールのファンタジックな世界。
シャガールの心がじんわりとしみこんでくるような、シャガールファン必見の一枚。

パブロ・ピカソ『二人の座る裸婦』
パブル・ピカソ『二人の座る裸婦』
ピカソの作品には、いつも何か心にガツンと来るものがあります。
今回ピカソの作品は6点出展、ピカソの無限の表現力には毎回驚かされます。

ルネ・マグリット『庶民的なパノラマ』 『とてつもない日々』
彼のユニークな発想が大好き。こちらもマグリットならではの不思議の世界。
私が初めて買った画集はルネ・マグリットのもので、今でも大切しています。そういえば、高校生のときマグリットのような絵を描き、教師にこれは何を描いたの?と聞かれて、言葉に出来るなら絵にしないのに、なんて生意気なことを思ったのを思い出しました。

イタリア人の作品では...
ボローニャ人ジョルジョ・モランディの『静物(青い花瓶)』
モランディおなじみの静物画。そこに確かに存在するのに、まるで幻のようでもある。

カルロ・カッラ『西から来た少女』
第1印象はジョルジオ・デ・キリコの作品と思ったほど、彼の影響を強く感じる作品。
シュールな世界に迷い込みます。

パウル・クレー『リズミカルな森のラクダ』
日本人にも人気の高いパウル・クレーの『リズミカルな森のラクダ』
絵の中から、今にも楽しいはじけるリズムが聞こえてきそうです。

モダン・アートが苦手な人も、今回のこの美術展は楽しめそうなほど、親しみやすい作品が多かったと思います。かくいう私も古典が好きなのですが、全く退屈することなく、時間を忘れて終始楽しみました。そういえば、先日の外尾悦郎氏の講演会でも、「芸術とはなにか、それは飽きないもの」とおっしゃっていましたね。

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心の琴線に触れる
今月は休みが多いので、張り切ってあちこち飛び回っています猫
今日は兵庫県立美術館で開かれた、外尾悦郎氏の講演会に行ってきました。
外尾氏は、スペイン・バルセロナで現在も建設が続いているサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪聖堂)の主任彫刻家を勤められた方です。随分前ですが、ネスカフェのCMにも登場しておられましたね。
なぜか小柄な方を想像していたのですが、やはり何トンもの石を彫り上げるだけあって、ガッチリとした印象。また、生誕のファサードを完成させ、ご自身が手掛けたものが世界遺産に登録されたこともあり、何かを成し遂げた人の自信が感じられました。

サグラダ・ファミリア(聖家族贖罪聖堂)スペイン・バルセロナ
『ガウディの感性・地中海の感性』 こちらが今回のテーマ。
アントニオ・ガウディが伝えたかったもの、そしてそれを受け継いで今もなお創り続けることの意味、日本人としてのアイデンティティー等々、とても興味深く拝聴しました。また現在開催中の展覧会『ピカソとクレーの生きた時代展』にちなんで、ガウディを否定し続けた画家ピカソのエピソードもとても面白かったです。海外で活躍する日本人はたくさんいますが、その中でも一番聞いてみたいと思っていた外尾氏の公演。氏ご自身の創作への思いや芸術感などを聞かせて頂いて、とてもいい刺激になりました。また、外尾氏が求める心の琴線を震わす言葉も確かにあり、これからそれを自分の中で消化し、氏が発した”葉”を、私なりに私の生きる世界で”実”にしていきたいですね。
それにしても、近頃なにかとスペインに縁があるような...スペインが私を呼んでいる?

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ウィリアム・モリス展〜西宮市大谷記念美術館
今回の休みも美術館を2つはしごして、美術三昧の一日。しばらく美術鑑賞記事が続きますが、どうかお付合い下さいませ。
まずひとつ目は、西宮市大谷記念美術館で開催されている『ウィリアム・モリス展』です。
  会期 2009年4月4日〜5月24日

『ウィリアム・モリス展』西宮市大谷記念美術館
19世紀末にイギリスで活躍した芸術家であり、思想家でもあるウィリアム・モリス。近年、彼の展覧会は多く開かれていますが、私は今回が初めて。まず第1室では、彼が設立したモリス・マーシャル・フォークナー商会が手掛けた、ステンドグラスのデザインを展示。普段は開放している入り口を看板で隠してあり、中へ入ると...暗闇の中、壁一面にステンドグラスが色鮮やかに浮かびあがっています。本物のステンドグラスがあるかのよう、これはなかなか素敵。

『ウィリアム・モリス展』西宮市大谷記念美術館
イタリアでも、教会でステンドグラスはあちらこちらで目にします。でもなにせ遠くにあるので、どんなテーマが描かれているのかなかなか識別できないのですが、今回こうして目の前にして、じっくりとそのデザインを見ることができました。主に聖書の登場人物を描いたそれらのステンドグラスは、とても耽美的。人物や衣も、微妙な色の濃淡で大変リアルに。これほどのものを、ガラスで表現できることに驚きます。

そして、第2室ではテキスタイルと壁紙。私が今回もっとも興味があったのが壁紙でした。小さな頃から憧れていた、映画の世界で見る外国のおうちの花柄の壁紙。いつか自分の家を持ったら、絶対こんな柄の入った壁紙を張ろうと思っていました(柄になく、かわいいのが好きなのですね)。その夢を叶えられる今、ちょっと真剣にどんな柄がいいか、とお気に入りを探してみました。

『ウィリアム・モリス展』西宮市大谷記念美術館
どれも素敵!なのですが、やはり少々硬いイメージと色合いがイギリス的。好みをいうと、もっとエレガントで明るくて、遊び心のあるのが好きです。とはいえ、もちろん素敵なデザインがたくさんありました。『いちご泥棒』は、鳥が苺をついばむ場面を生き生きと捉えたデザイン。お気に入りは『柘榴あるいは果実』。果物柄は、豊かで陽気な気分になれますね。

『ウィリアム・モリス展』西宮市大谷記念美術館
また、チャールズ・フランシス・アンズリー・ヴォイジーの、よりモダンで簡潔なデザインが素敵です。第3室では、実際にこれらのデザインをカーテンやカーペットに使った部屋を再現していました。イメージがつかみやすいので、これはとてもよいですね。
以前、フランスだったか手作業で壁紙を作る職人たちを見たことがあるのですが、重い木型を使って人の手でスタンプしていくその作業は、気が遠くなりそうな工程。でもその風合いは、ぬくもりを感じる一生もの。やっぱり、憧れるなぁ。美術館を出た後も、「あの部屋にはあの壁紙かなぁ」などと空想を楽しみながら、神戸に向かいました。
続いて、兵庫県立美術館へまいります。

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新収蔵品展/画家たちとパリ〜西宮市大谷記念美術館
相変わらずイタリア恋しいわたくし、今回もささやかに美術の中にイタリアを見つけてきました。先日訪れたもう一つの美術展は、ウィーンの静物画展と違って人も少なく、”美術”をというより、贅沢な”時間”を楽しみ、めいっぱい溜め込んだストレスを解消してきました。

『新収蔵品展/画家たちとパリ』 西宮市・大谷記念美術館
   会期 2009年2月21日〜3月29日

毎年夏に開催される、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(2009年は8/22〜9/27予定)でおなじみのこの美術館の、2007年に新たに所蔵となった作品の展示と、パリと関わりをもった作家たちの作品を集めたコレクション展です。

新収蔵品展はさらりと見て、2階の展示室へ。
パリと関わりを持った日本人たちの作品です。児島善三郎は、西洋の模倣ではない日本的西洋画をめざしたのだとか。彼の作品は色々なところで目にし割と好きなのですが、今ひとつインパクトがないと思っていました。でも今回観た『レースを着る女』は、女性の憂いを含んだ表情が忘れがたい作品でした。
この部屋で一番印象的だったのが、伊藤慶之助の『黒衣の女』。ちょっと日本人ばなれした大胆かつ繊細な色彩と表現です。何度も作品の前に立っては、うんやっぱりいいなと思う。今回一番のお気に入り作品に。

そして1階のフランス近代画家の作品の部屋へ。
まずは独特の刺々しい描線で、ヴェネツィアのカ・ドーロを描いたベルナール・ビュフェの作品が。モノトーンで描いたヴェネツィアの風景、そこにはかの町が誇った栄華のあとは見出せません。これがビュフェの見たヴェネツィアの姿なのでしょうか。なかなか強烈です。
そしてレオナール・フジタ(藤田嗣治)の『腕をあげる裸婦』。すごくシンプルな作品だけれど、フジタならではの女性像と乳白色の世界が味わえます。でもフジタ作品は、やっぱり猫が登場する作品が好き。
他にはキスリングやユトリロ、マネ、ローランサンなどなど。私は印象派よりも写実的な絵が好みなので、やっぱりこちら『こんにちはクールベさん』のギュスターヴ・クールベ作『眠る草刈り女』が好きです。

ギュスターブ・クールベ『眠る草刈り女』
なんだか情緒にかける題名ですが、作品は情熱的です。大胆な構図と色彩、女性の官能的な赤い衣装がティツィアーノを彷彿とさせます。
作品数が少ないので集中でき、なんだか久々に美術観賞をした〜という感じ。実際今年初めての美術鑑賞でした。(この後ウィーンの静物画展を訪れたので、ブログは前後しました。)

さぁ、仕事も最後のひと頑張り。無事3月を乗り切ったら『イタリア美術とナポレオン』で、ベッリーニにボッティチェッリ、カノーヴァだ〜い!
(忙しいと言いながら、ブログのデザインちょこっと変えてみましたが、自分でかなり違和感あり。そのうち慣れるのかな。。。)

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ウィーン美術史美術館〜静物画の秘密展
ここしばらく、なかなか美術展を訪れることが出来なかったのですが、先日ふと時間が出来たので、ウィーン美術史美術館の『静物画の秘密展』(兵庫県立美術館)へ行ってきました。
   会期 2009年1月6日〜3月29日

ウィーン美術史美術館の『静物画の秘密展』(兵庫県立美術館)
ここ数年、イタリアの華やかで緻密な絵画を集中的に観てきた目には、かなり地味に映ります。まぁ、そこは静物画というジャンル、また落ち着いた色彩のフランドル絵画が多い、ということで、いたし方なしかなぁ。
でももちろん華やかで、思わずハッと惹かれる作品もいくつかありました。
この展覧会のメインの一つである『虚栄〜ヴァニタス』アントニオ・デ・ペレダ・サルガド

アントニオ・デ・ペレダ・サルガド『虚栄〜ヴァニタス』
この作品についてはまた改めて、別の機会に書いてみたいと思うので、今日は色々な点で興味惹かれたとだけ記しておきます。

そして、静物画といえば、果物や植物も人気のテーマ。
会場の説明にあったのですが、オランダでは17世紀頃、バブル景気が起こったそうです。みな何に投資していたのか?それはなんとチューリップの球根。今でもオランダと言えば、チューリップというほどに有名。しかも、まだら模様のチューリップは価値が高かったとか。確かに、作品にも時折登場するまだら模様のチューリップ、とても美しいです。
また、レアンドロ・バッサーノの『6月』に、思わず敏感に反応。お〜このタッチ!これは、いかにもヴェネツィア派絵画。こんなところでもイタリアを探してしまう自分が面白くも悲しい!?

そしてこの展覧会の目玉はなんといっても、スペインのディエゴ・ベラスケス『薔薇色の衣装のマルガリータ』。確かに、今回の展覧作品の中では、その扱いは抜きんでています。最後の最後に、物々しく飾られていましたし。
でも、私の好みでいうと、ルーベンスの『チモーネとエフィジェニア』の方が...静物画部分は別の作家が担当、共同制作のようです。

『チモーネとエフィジェニア』ルーベンス
ルーベンスの絵に度々登場する、カラフルなジュエリーも堪能できるし、なにより圧倒的な量感、存在感があります。彼独特の美と醜の境目ぎりぎりのラインにいる(これは個人的な意見です〜)個性的な女性像も、私は嫌いではありません。

おっと、今回のテーマは静物でしたね...どうしても人物に目がいってしまいます。
もちろんトロンプ・ルイユや、バイオリンやリュート等、当時の丸みのある優美な弦楽器を描いたものなど、なかなか楽しめました。
が、やはりこれまで静物画として一番心に残っているのは、カラヴァッジョの作品『果物籠』、そして『バッカス』でしょうか。静物画の先駆者であり、頂点を極めたカラヴァッジョ。今回の展覧会を観て、彼の技量に勝るものはいないなと改めて感じました。

次回、もうひとつ訪れた展覧会について書きたいと思います猫

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ボローニャ国際絵本原画展2008
今年も行ってきました!
イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(西宮市・大谷記念美術館)
<BOLOGNA FIERA DEL LIBRO PER RAGAZZI>
会期 2008年8月23日〜9月28日

昨年の記事 → イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2007

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2008
久振りになつかしの町、西宮へやってきました。今回も阪神香櫨園駅で下車。
ずっと楽しみにしていたので、足取り軽く美術館へGo〜♪
平日のお昼間、混雑というほどではありませんでしたが、皆で列になって見るという感じ。
ポスターにもなっているこの絵は、山田真奈未さんの『はなげばあちゃん』
あはは、これはユニーク!既に絵本として出版されていました。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2008
今年はどうも暗い色調や怖い印象の作品が多かったのと、全体的に雑然とした感じが残ったのが残念...去年はたくさんのお気に入りができて楽しかったのだけれど。
絵本はやっぱり、見てわくわくしたり、楽しい気分になれるのがいいんだけどなぁ。
とはいえ、もちろん素敵な作品もたくさんありました!私が特に印象に残った作品は...

ベンテ・オレセン・ニューストロムさん(スウェーデン)の『なんでもかんでもさん』
この方の絵はすごい!!
ものすごい緻密な描写と独特な色の使い方で、不思議の世界をつくり上げています。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展2008
ちょっとエキゾチックで、なんだか砂漠の隠れた宝箱を開けたような、そんな気分に。
個人的には、今回一番光っていた作品だと思いました。

ホセ・マリア・レマ・デ・パブロさん(スペイン)の『ホセ・マリア・ラソデルのおはなし』
くっきりと明快な色使いで、ポスターにして飾りたいようなか〜っこいい作品。
うんうん、スペインぽい(私のイメージね!)やっぱり絵本はシンプルなのがいいな。

マルゲリータ・ミケーリさん(イタリア)『キスして−Baciami』
有名なキスシーンを動物に置きかえて、表現した作品。
きっと皆さんもご存知の『市役所前のキス』、こちらは猫に変身。
パステル系の色使いがキレイなんやヮ〜

日本人の方の作品では、槙下晶さんの『アミューズメントミュージアム』かな。
猫のためのテーマパーク猫 猫ものには、やっぱり目がいくにゃん♪
そうそう一風変わった作品もありました。布に染色して、表現した小原妙子さんの『ワルツ』
布の絵本ができるんかな?!

去年に引き続き、今年も入選された方が何人かいらっしゃるようで、前に観たことがあるぞっという作風がいくつかありました。
そして、今これを書くのにパンフを見直して初めて気がつきました!スロヴェキアでの原画展で、グランプリを受賞したアイナール・トゥルコウスキィさんの特別展示があったようなのですが、全く気づかなかった...え〜っどこに展示されてたんやろ???わ〜〜これはめっちゃ残念!!!

今年は図録は買わず、ポストカードを何枚か購入。
まだ2時を過ぎたところなので、再び足取り軽く、神戸へGo〜!でんしゃ
『シャガール展』へつづきます。
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『美術館へ行こう!』ディック・ブルーナの世界へ
先日UPした、大阪・天保山にあるサントリーミュージアムで開かれている
『美術館に行こう!−ディック・ブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方』
会期 2008年7月25日〜2008年9月15日

今回はディック・ブルーナ、彼の作り出した世界について。
彼の作品は、ブルーナ・カラーと言われる赤・黄・青・緑・茶・灰色の6色。そして白と黒、この8色で表現されています(初期はピンクや紫なども使用)。余分なものをなくし、必要な線だけで描き出した明快な作品は、まったく飽きる事がありませんね。
初期のミッフィーちゃんは、まだ今のまあるい顔とピンとした耳のフォルムではなく、ちょっと暑さで溶けてしまったようにフニャ〜っとしていておもしろい。
ミッフィーの仲間といえば、くまのボリス&バーバラ、ぶたのポピーさん、犬のスナッフィー、またかわいい少年ゴーベなどがいます。私が好きなのは、これはお決まりでやっぱり猫、子ねこのネル。インデアンになりたかったネル、みんなの協力で夢がかなってよかったにゃ猫

彼の作品を観ていると、6月に訪れたブルーノ・ムナーリ展と同じ魅力を感じました。
ムナーリはその時代、息子に与えるいい絵本がなかったので、自分でそれを創り出した。
ブルーナもこんな絵本があったらいいな、という思いでこれらの作品を創り出した。
両者の作品、どちらも一見シンプルながら、とても手間と愛情のこもった作品ですね。
とまぁ、堅苦しくなんやかんやと書きましたが、結局言いたいのは、”かわいい!”ということなのです〜猫

そして絵本とは別に彼が手がけたのが、父親の経営する出版会社「A.W.ブルーナ&ゾーン」のペーパーブック【ブラックベア】シリーズ約2,000冊の表紙のデザイン。

美術館に行こう!−ディック・ブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方』
今回まとめてみたこれらの作品、とてもシャレていて、おもしろい♪
『O.S.S.117号』、『メグレ警部』、『聖者』など、有名ミステリー小説。
これらの表紙は彼がデザインしていたのですね。それぞれの主人公のトレードマークである黒づくめの男、パイプ、聖人の光臨などを記号化して、繰り返し使う。シンプルなのにヴァリエーション豊か、観ていてあきません。ディック・ブルーナの見事な表現とセンス、そしてユーモアをたっぷり堪能しました。
この表紙シリーズを集めた書籍がミュージアムショップで販売されていたので、図録よりこっちがいいなっと手に取ってみたら、なんと5千円近いお値段!やむなく諦めました...
残念ながらワークショップは席がいっぱい、しかも全員大人!!(海遊館には子供がいっぱいいたのになぁ...)そして、出口でMiffyのミニタオルをプレゼントにいただきました。美術展の記念にとっておこ♪

『美術館に行こう!−ディック・ブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方』
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ミッフィーちゃんと『美術館に行こう!』サントリー・ミュージアム
先日の休みは、大阪・天保山にあるサントリーミュージアムへ行ってきました。
実は私、毎日満員電車に揺られ、1時間以上かけて通勤しているのですが、その経路がモロこの美術館への道のりとかぶる。。。いつもなかなかいい展覧会が行われているのに、休みの日にまで同じ電車に乗るのかぁ〜っと思うとちょっと気が進まず。かといって、仕事帰りには間に合わず。ということで、一昨年のポンペイ展以来、久しぶりの訪問となりました。

ミッフィーちゃんと『美術館に行こう!』サントリー・ミュージアム
余談ですがこの美術館、某有名建築家の設計。でもここのトイレ、閉鎖的でとても嫌いです。今にも不審者が忍び込んできそうで...トイレ内に案内図が必要ってものすごく変!

今回はうさぎのミッフィーちゃん(うさこちゃん)と一緒にモダンアートを楽しむという企画。
『美術館に行こう!−ディック・ブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方』
会期 2008年7月25日〜2008年9月15日

ミッフィーちゃんと『美術館に行こう!』
まずは、きっと誰もが知っているミッフィーちゃんについて。
産みの親はディック・ブルーナさん、1927年生まれのオランダのアーティスト。
ミッフィーの本国オランダでの名は、【Nijntje】ナインチェです。
2000年には生誕45周年としてオランダ国内で展覧会が行われたほど、長く愛され続けている、おそらく世界中で一番有名なうさぎさん。

私は小さな頃からあまりキャラクターものに興味がない、少し冷めた子供でした。
友達がキティちゃんやプーさんの文房具を持っていても、私は身の回りはシンプルに揃える。でも、ミッフィーちゃんとバーバパパは好きだったな。といっても、グッズを持つことはなく、今も我が家にある有名キャラクターグッズは、バーバパパのハンドソープ入れと、幼い頃祖父が買ってくれたキティちゃんのタオルケット(いまだ愛用、肌触りがいいので)くらいでしょうか。逆に大人になった今の方がかわいいものが好きになり、最近は海外のねこグッズがどんどん増えて嬉しい限り。

話を展覧会に戻して...ミッフィーちゃんを案内役に、ブルーナさんから現代アートの楽しみ方を教えてもらうこの企画。どんな構成なのかな、ととても楽しみでした。
まず最初のフロアでは、絵本『うさこちゃん、びじゅつかんへいく』を元に、実際にモダンアート(主にこの美術館所蔵の作品)を観ていきます。
モダンアートはその難解さゆえに、日常から美術を遠ざけてしまったといわれていますが、
ここではミッフィーちゃんの一言コメントで、「あ、ほんとだ〜」「そうそう、私も思った」と関心、そして共感を持ちます。以下、私の感じたこと。

イタリア・ボローニャ出身のジョルジョ・モランディ 『茶碗のある静物』
大地の色と、厚く塗り重ねた絵の具の量感・タッチが印象的。
彼の絵をじっと観ていると心が無になる。

続く児島虎次郎の作品 『登校』 『木下サーカス』 『親牛子牛』
この展覧会には相当違和感があります...それだけに、かなり印象に残る。
作風は好みではないけれど、子供や動物を描く題材は好き。

マルク・シャガール 『エッフェル塔前、祭りの人々』
彼の作品は美しい色使いと、なんともいえないファンタジーアな雰囲気が大好き。
なんだかシャガールの夢の世界に迷い込んだような気分に。
今、現代美術作家で一番好き。

ジョルジョ・デ・キリコ 『馬』
狂気の踊る馬たちが迫ってくる〜
不安定なキリコの心のうち、そのままでしょうか。

ホアン・ミロ 『無題』
???なんだろ、わんちゃんが二匹?
今年イタリア・フェッラーラで彼の展覧会が開かれ、現地から報告を頂き、とても興味深く思っていたので、ここで彼の作品が観れるとは嬉しい♪
この作品はかなり抽象的、そして、その色彩はまさに魔術師のごとし。

アンリ・マティス 『ジャズ』より
ブルーナが多大な影響を受けたマティス。
一見不協和音な色彩が微妙なハーモニーを奏でる、印象的なカラフルな作品。

フェルナン・レジェ 『鳥のコンポジション』
ブルーナ氏はレジェから「色彩と線の分離」を、マティスから「色彩とフォルムの平等な関係」を習得したといいます。
この相反する二つの表現法を得たことで彼独特の、明快な作品が出来たのでしょうか。

個人的には1フロアだけではなく、ミッフィーともっとこのコーナーを楽しみたかったなぁ。
また夏休みの子供にも楽しめるように、という企画だと思うのですが、この時は99%が大人。平日だったからかなぁ

ここまで観て思ったこと...猫
モダンアートを難しく考える事なんて何もない。見たままに感じればいい。青色がきれいだなと思えばそれでいい、それは何を意味しているんだ?と考えるのは二の次。
好き、嫌い、面白い、落ち着く...きっとなんらかの感情が呼び起こされるはず。そのときの自分の感性で素直に楽しめばいい、音楽を聴き、感じるときのように。

長くなりましたので、つづきは次回に。
ミッフィーと同じく、ディック・ブルーナが産んだ仲間たちに会ってきました!
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大阪市立東洋陶磁美術館『鼻煙壺1000展』
前回の『モディリアーニ展』に引き続き...
大阪・中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館を訪れました。

大阪市立東洋陶磁美術館
現在、以下の展覧会が開催されています。
『中国工芸の精華 沖正一郎コレクション−鼻煙壺1000展』
会期 2008年7月19日〜2008年9月28日

大阪市立東洋陶磁美術館『中国工芸の精華 沖正一郎コレクション−鼻煙壺1000展』

まず初めて聞く言葉、”鼻煙壺”
びえんこってなんでしょね?
15世紀末にアメリカ大陸からヨーロッパへ伝えられ、17世紀半ば頃にヨーロッパから中国へ伝わった嗅ぎタバコ。その粉末状のタバコを保管する容器が『鼻煙壺』なのです。
容器と一口にいっても、様々な素材で造られた多彩なデザインの芸術作品。正直いって中国美術はさほど好きではありませんが、このコレクションの素晴らしさには感服しました。
今回の展覧会はその鼻煙壺の世界的コレクターである沖正一郎氏が、1,200点のコレクションを美術館に寄贈したことを記念して開かれたもの。

まずはその大きさ。
本当に小さな、そう10cmにも満たない、片方の手のひらにちょこっと乗るようなもの。
素材がこれまた様々で、磁器にガラス、貴石、象牙、金属、はては瓢箪などを使用し、
見事な細工がほどこされています。
こちらはガラスのコレクションから『青』を集めたもの。近頃無性に青色に惹かれる。

大阪市立東洋陶磁美術館『鼻煙壺1000展』
17世紀後半から18世紀初め頃、ヨーロッパの技術を取り入れ、清の宮廷にガラスの工房が作られたそうですが、ヴェネチアのガラス製造の技術も伝わったのでしょうか。ヴェネチアングラスに似た作品もみられます。

これ、かわいいにゃ。。。乳白ガラスに、猫模様をあしらった鼻煙壺です。

大阪市立東洋陶磁美術館『鼻煙壺1000展』

やはり美しさと貴重さにおいては、貴石で造られた鼻煙壺が一番かと思います。
原石の塊からくり抜いて作るため、非常な労力と時間を必要とするもの。
それはもう実用品ではなく、愛でて楽しむ美術品ですね。
こちらはラピスラズリのふくろうです。

大阪市立東洋陶磁美術館『鼻煙壺1000展』

私が一番気に入った作品、『白ガラス桃被せ 白菜形鼻煙壺』

大阪市立東洋陶磁美術館『鼻煙壺1000展』
美しい桃色の白菜。白菜をデザインに使うってとてもユニーク。
そしてさらに、見えますでしょうか。。。葉についた緑ガラスで作られた小さな虫。
なんと芸の細かいこと、うっとりします。
1000点ある鼻煙壺、全てが異なるデザインでそれぞれに魅力があります。
一つ一つじっくりと、楽しんで鑑賞しました。
これぞマニアという言葉にふさわしい究極のコレクション。
私もこんな美しいものをコレクションしたいものです...といってもそんな財力はないので、今回貴重なコレクションを覗かせてもらえて幸せでした〜
会期はまだ2ヶ月あるので、是非もう一度訪れたい猫
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ボローニャ国際絵本原画展 2008年
今年もやってきます!!

『ボローニャ国際絵本原画展』

西宮市大谷記念美術館
2008年8月23日(土)〜9月28日(日)

まだかな、まだかなぁと心待ちにしていたこの展覧会。
私は昨年初めて訪れたのですが、これはかなり見ごたえのあるものでした。

大谷記念美術館の公式HP

今年は昨年の17名を超える20名の日本人が入選を果たしたとか。
昨年はイラン人の作家さんたちの作品がとても印象的でしたが、
今年はどんな素敵な作品に出会えるのでしょうか。
今からとっても楽しみです猫
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『アンカー展』スイスの画家アルベルト・アンカー
美術館「えき」KYOTOで行われている『アンカー』展にいってきました。
会期 2008年5月24日〜6月22日

『アンカー』展・美術館「えき」KYOTO
スイス中央部のインスという町で生まれたアルベール・アンカー<Albert Anker>(1831−1910)。パリと故郷を行き来する生活を送った彼は、一貫して故郷インスの情景を描きました。今回の展覧会はスイスの国民的画家アンカーの日本で初めての回顧展。

ポスターに使われている、金色の髪を編む少女の肖像画...暗闇に浮かぶその美しい姿。
光と影を強調し、緻密に描く彼の画法に惹かれて今回訪れてみることにしました。
正直、百貨店で行われる展覧会はどうも雰囲気が苦手です。
でも今回の展覧会は照明を落とし、まずまず落ち着いた雰囲気でした。

主にスイスの山中に生きる農民の姿を描いたデッサンや油彩画、水彩画約100点。
どの絵も穏やかで温かみのある作品。ドラマティックで個性的な絵画が好きな私には物足りないかもと思ったけれど、アンカーの愛情溢れる作風に心動かされました。

まず何といっても子供たちを描いた作品が多くみられるのが特徴。
この頃の農家の子供たちは小さくとも働き手の一人として、しっかりと大地を踏みしめています。そして幼い弟や妹の世話をする年長の子供たちの、幼いながらも守護者であろうとする表情が印象的。またいかにも山の民らしい、子供ながらも骨の太い体が、いつも見慣れている絵画とは若干異なるような...

アルベール・アンカー《12月》
アルベール・アンカー《12月》
また子供たち以上に印象に残るのは、子供たちを慈しむ老人たちの表情。
人生の年輪を刻み込んだその顔や手、美しい人間の姿です。

そして農家の風景といえばやはり犬や猫、鶏といった動物が登場しますが、
彼の絵に描かれた猫もとっても愛らしかったな。

アルベール・アンカー《鶏》
アルベール・アンカー《鶏》
この展覧会の観覧者は主に年配の女性が多かったように思うのですが、皆さん自分たちの幼い頃の生活と重ねあわせ、そうそうあの頃はこんなんだったよねェとおっしゃっていました。彼の描く絵は、昔なつかしい素朴な風景なのでしょうね。

また、アンカーは子供の教育についても尽力した人物のようです。
そんな教育に関わる風景も多くえがかれています。
『よく遊び、よく学べ』 現代の子供たちにも是非実践してもらいたいものです。

そして今回の絵を見て、なぜ子供たちからこんなにピュアな印象を受けるのかなと思い、考えながら見ていました。そしたらそう、表情や背景はもちろんなのですが、着ている洋服がシンプルなんです。現代の子供服のようにロゴやキャラクターがプリントされていない。
チェック、ストライプ、水玉模様、ほとんどがこの柄。

アルベール・アンカー《赤ずきん》
アルベール・アンカー《赤ずきん》
だって、子供はその存在自体だけで、愛すべきもの。過剰な装飾はいらない。
エプロンをして、シンプルなワンピースを着て、それだけでかわいいんです。
上の大きなパンを抱えた少女は、珍しくターコイズのネックレスをつけていたので印象に残りましたが。

そして、今回の展覧会の中で私が一番惹かれた作品はこちら

アルベール・アンカー《水浴する人々》
アルベール・アンカー《水浴する人々》
自然の中で、水浴びを楽しむ人々。天真爛漫なその姿にハッとさせられました。
木々の、水の、そして人々の美しさが最大限に引き出された一枚。

アンカーの作品の魅力はやはりその緻密な写実性にあります。
ポスターの金色の髪を編む少女。思わずその柔らかい髪に触れたくなるほどのリアリズム。
そして故郷への愛情がいっぱいつまった作品。
期せずして癒され、新たな美術にふれた穏やかな休日でした。
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続・京都国立博物館『暁斎−Kyosai展』
前回に引き続き、河鍋暁斎ワールドへ...

暁斎の作品には骸骨や幽霊、鬼、妖怪を描いたエキセントリックな画や残酷絵なども多いのですが、ただ怖いとか奇抜だというのではなく、その中にユーモアがあふれていたり、そこはかとなく哀しみが漂っていたりと情緒たっぷりなのです。

『地獄太夫と一休』1871年以降

『地獄太夫と一休』河鍋暁斎

彼の緻密で写実的な画風をつくりあげた、幼少時代の行動にはこんなエピソードも。。。
拾った生首を家に持ち帰り物置に隠していたところ、女中に見つかって大騒ぎになり父親に拾ったその場で描くように言われ川縁で写生したとか、江戸の大火の際に火事場の模様を写生し続けた、などなど。
天才とは何かに夢中になって、没頭できるという才能を持っているものですね。

また暁斎の描く動物の画も特筆すべきもの。
その中でもやはり私の好きな猫を取り上げて、ここでご紹介します。

『家猫捕鼠』(風俗鳥獣画帖)1869、70年

『家猫捕鼠』河鍋暁斎
家猫でもやっぱり猫の性、リアリティあふれる表現でネズミがちょっとかわいそ...


『化猫』(惺々狂斎画帖)1870年以前

『化猫』河鍋暁斎
こんなかわいい化け猫なら出くわしてみたいかも。


『横たわる美人と猫』1871年頃

『横たわる美人と猫』河鍋暁斎
猫を見つめるしどけない姿の艶やかな美女。穏やかで不思議な空気が流れています。


『鳥獣戯画 鼠曳く瓜に乗る猫』1879年頃

『鳥獣戯画 鼠曳く瓜に乗る猫』河鍋暁斎
猫奉行、瓜に乗っちゃってます!真剣な表情がこれまた笑っちゃいます〜

また暁斎は明治初めから毎日かかさず絵日記を記していたそうで、その数ページが公開されていましたが、これは全部読んでみたいと思うほど面白そうでしたよ。
そして暁斎のパトロンの愛娘で幼くして亡くなった”たつ”に捧げた『地獄極楽めぐり図』は、悲しみの中にも微笑ましくなるファンタジー作品。さぞかし父親も心慰められたのではないかと思わせる心のこもった作品でした。

今回の展覧会、ひとつひとつの作品解説がとてもよく、これを書いた人はきっと暁斎の作品をとても愛しているんだろうなぁと思える紹介文でした。
おかげで私もとても楽しむことができました。
とにかく幅広く奥深い暁斎の世界、その一端でもレポートできたでしょうか。
たまにはこうして日本の美にひたるのもいいですね猫

参考図書 図録『暁斎−kyosai』 京都国立博物館

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博物館訪問前に訪れた京麩『半兵衛』

京麩『半兵衛』

昼食にこちらの茶房で京麩・京ゆばづくしのお料理をいただきました。

京麩『半兵衛』
お麩とあなどるなかれ、生麩のもちもちとした食感がなんとも言えず、これははまります。
ボリュームも十分でお腹いっぱい!堪能しました。
ステンドグレスや家具など、インテリアも素敵ですよ。
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京都国立博物館『暁斎−Kyosai展』
京都国立博物館で現在開催中の特別展覧会『絵画の冒険者 暁斎−kyosai 近代へ架ける橋』へ行ってきました。(2008年5月11日まで)

『絵画の冒険者 暁斎−kyosai 近代へ架ける橋』京都国立博物館
雨が降っていたので、今回は車で。観覧者用の無料駐車場がありました。

河鍋暁斎について簡単にご紹介すると...
1831年、下総国古河(現在の茨城県)に生まれ、7歳の頃から浮世絵師歌川国芳の画塾で2年間学びます。その後狩野派の絵師の元で学び、師洞和に才能を認められ”画鬼”という呼び名を与えられ、19歳という異例の速さで修行を終えます。
その後各流派の絵を模写、研究し画法を習得。狂斎と名乗り、狂画を描き始めますが、酔って描いた戯画が元で投獄された事件以降、暁斎と名を改めました。幕末から明治にかけて江戸を中心に活躍し、海外でも人気のあった暁斎。
鹿鳴館やニコライ堂を手掛けたイギリス人建築家ジョサイア・コンドル(暁英)を弟子としたことでも有名ですね。

今回の展覧会、平日だったためか雨だったからか、かなりすいていました。
この展覧会の作品は全て肉筆画で構成されているということで、大変貴重な機会。
なので、ゆっくり鑑賞できてよかったのですが、反面とてもよい展覧会だったので少し残念。

それでは私の印象に残った作品をご紹介。
といっても、彼の絵はどれも一目観るとハッとするような大胆な構図とユーモアあふれる題材の作品など秀作ぞろいで、ここで数点選ぶのは至難です。。。

まず、暁斎のユーモアを感じることができる作品『閻魔大王浄玻璃鏡図』1887年

『閻魔大王浄玻璃鏡図』河鍋暁斎
人間は死後、閻魔大王の元で生前の所業を映し出す鏡の前に立ち裁かれるとされているのですが、この美女は鏡に映るのは美しい姿のみ。いつもは怖ろしい閻魔と鬼のショックを受けた表情がなんともおもしろい。宗教の欺瞞を風刺した作品だとか。

暁斎の名をさらに高めた『古木寒鴉図』1881年

『古木寒鴉図』河鍋暁斎
明治14年の第二回内国勧業博覧会に出品し、最高賞を与えられたこの作品。
簡潔な筆さばきで表現しきった画に、暁斎の底知れぬ才能を感じさせます。

こちらが今回一番印象深かった作品、『観世音菩薩像』1879年以降

『観世音菩薩像』河鍋暁斎
こういった正統派の仏画も完璧にこなした暁斎。神々しさがあふれていました。
また菩薩の身につけている衣装や装飾品、なんともあでやか〜
目をうばわれます!これも絵画の中のジュエリーですね。

そして最後に『大和美人図屏風』1885年頃

『大和美人図屏風』河鍋暁斎

この博物館所蔵、展覧会のメイン作品でもあるこの図は、弟子であるコンドルに贈られたもの。緻密に描かれた着物や背景は驚異的ですらあります。

と、この4点だけでも彼の確かな実力、自由な表現、題材の幅広さを感じていただけるのではないでしょうか。なんだかまだまだご紹介したりない感じ...
次回、もう一度『暁斎−Kyosai展』をUPしたいと思いますので、どうぞお付合い下さい猫
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ヴェネツィアの風景『山下清展』
大阪阿倍野の近鉄百貨店で開かれている『山下清展』へ行ってきました。
(〜2008年3月26日)
放浪の天才画家、山下清(1922〜1971)の作品や遺品、放浪日記など約170点が展示されています。

『山下清展』
以前友人が山下清の貼り絵を観て、とてもよかったという話を聞いて、
そういえばドラマ「裸の大将」は子供の頃見たことがあるけれど、実際の作品は観たことがないことに気づきました。そして先日偶然彼の画集を入手。

山下清 図録
彼の生涯も併せみると、じんわりと愛おしくなるような作品集でした。
そして今回のこの展覧会が開かれると知って、これは是非行かねばと思ったのです。

小さな会場はとにかくすごい人!とてもじゃないけどゆっくり見られる雰囲気ではありませんでした...あまりの人の多さに最後は息切れ状態でしたが、やはり貼り絵独特の質感を味わうためには、実物を観るべきと実感しました。
彼の素朴でいて夢あふれる作品、独創的な表現はまさにファンタジスタ!
ヨーロッパを旅行したときの水彩・素描画も多数出展されています。
特にヴェネツィアの風景などは自分も知っている好きな風景なだけに、あぁこういう表現もあるんだと新鮮な感動。
彼の点で表現した雲がなんともいえず好きです。

山下清『ベニスのサンマルコ寺院』

山下清『ベニスのゴンドラ風景』他
イタリアを描いたものとしてはこのヴェネツィア2作品ですが、
他にもスイスの山々、パリの寺院、コペンハーゲンの人魚像など、見たことがないのに不思議となつかしさを感じます。

今回特に印象に残った作品は、初期十代の頃描いた静物画でしょうか。
この頃から立体感をもたせるために”こより”を使いはじめたそうですが、
一気に味わい深い奥行きのある作品へと変化しています。

また彼の数少ない貴重な油絵も印象的でした。
ぼけの花を描いた作品は、美しい和の花をえがきながらも、背景の色はどことなく洋画を思い起こさせる大胆さ。      
そして彼の愛用していた時計の解説を読むと、彼は大変几帳面な性格で、
作業をするときも朝何時から夕方何時までと決めていたらしいです。
そしてドラマと違って実際は旅先では絵は描かず、帰ってから記憶の中の風景を作品にしていったとか。そんなエピソードもなかなか面白く、山下清の人柄が偲ばれる展覧会でした。

次回はこの日、四天王寺で開かれていたお大師さんの縁日の様子をUP予定猫
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『ヴィクトリア&アルバート浮世絵名品展』
今回は神戸市立博物館で行われている、『ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵 浮世絵名品展』(〜2008年2月17日)へいってまいりました。神戸へは頻繁に行っているのですが、こちらの博物館を訪れるのは、確か前回訪れたエジプト展以来なんと8年ぶり!
なんだか懐かしい思いがします。(2階の古めかしい喫茶店を見て、記憶が蘇りました)

『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館
今回の展覧会はイギリスのV&A美術館からの里帰りとなる浮世絵の展覧会です。
昨年京都で行われた狩野永徳展を訪れて以来、日本の美を再認識した私ですが、
浮世絵に関してはほとんどといっていいほど、知識がありません。
なので、見たままの印象で自分のお気に入りを見つけることができたらなと思っています。

展覧会はほどよく混雑していて、壁一列に作品が並べられているので、順番にひとつひとつじっくりと観ることができました。
最初に見た礒田湖龍斎の『雪中鳥と鷺』からこれ素敵!っと思い、次を見たらいやいやこれもきれい!!っとどんどん惹き込まれます。
やはりなんといっても衣装の柄や色合わせの美しさに注目させられます。
描かれた衣装はさすが、どれもあでやかで粋!!
余談ですが、実は我が家は時代劇の、それも暴れん坊将軍の大ファン。現在CATVで最初のシリーズから平日の毎日再放送されているのですが、毎日見ては今日の新さん(将軍様)の衣装はどんなのかなぁと楽しみにしています。さすが将軍を演じるだけあって、上品かつ粋なデザインなんです。

浮世絵は大衆向けの娯楽作品であったので、美しい錦絵や当時人気の役者や花魁、遊女などの姿や、美しい風景の中に当時の風俗を描いたもの、そしてユーモアのある作品など気楽に楽しめます。とはいえど、芸術性は非常に高いです。

色鮮やかな錦絵も綺麗なのですが、私は珍しい扇絵で出品されていた藍色一色で表現した風景の美しさに見惚れました。藍色の濃淡で表現した浮世絵、大変素晴らしいものでした。
私が気に入った作品をご紹介すると...
歌川広重の『木曽街道六十九次之内 宮ノ越』

『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館
5人の親子の姿のほのぼとした姿と、藍色の濃淡で表現した霧に霞む背景がとても抒情的で素晴らしいのです。

また歌川国貞の『二見浦曙の図』は、私も何度か訪れたことのある三重県の夫婦岩を描いたもの。こちらは力強く、そしてとても華々しくめでたい!っといった印象を受けます。
でも良く見ると...確か今ではすっかり海に漬かっている夫婦岩が、まだ陸地にありますね?これも地球温暖化の影響かしら!?

『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館
またユーモアあふれる作品としては、歌川貞秀作『新板早替両面化物』
両面合わせというおもちゃ絵の一種で、切り取って遊ぶというまさに大衆娯楽作品です。

『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館
そして今回は美人画が多数出展されていたのですが、私が選んだ美女No.1はこちら
菊川英山作『風流琴碁書画 画 岡本屋内重岡』

『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館
机に向かって絵を描く美女の姿、なんとも言えない風情がありますね〜
当時の遊女の間では必須教養の書・碁・画をテーマに、その中の画で選ばれた美女を描いたもの。素晴らしい衣装、そしてとても知的な雰囲気がしますね。

そしてここにイタリアが!!
歌川豊春の『浮絵紅毛フランスカノ伽藍之図』
遠近法を使用して、コロッセオやトラヤヌスの記念柱、凱旋門やアウレリウス帝の騎馬像などを一まとめに描いた想像のローマ。こんな絵もあるんですね〜
『V&A浮世絵名品展』神戸市博物館

そして今回特筆すべきはやはり葛飾北斎の肉筆画7点
『V&A浮世絵名品展』神戸市立博物館
私が今更いうことではありませんが、やはりすごい才能です。
これほどシンプルな描写で、事物の本質を表現できるということに驚きを感じます。またこの肉筆画に対して感じたのは”余白の美”ですね。

などなど、ご紹介したい作品はたくさんあるのですがこの辺で終わりにして。。。
でもこの浮世絵の価値に先に気づいたのが、その芸術を生み出した日本ではなく西洋であったのは残念。でも今回日本で大々的な美術展が開かれ、こうして目にすることが出来て本当に良かったです猫
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大阪国立国際美術館『30年分のコレクション』
このところ美術館にも行けずあわただしい毎日を送っていたので、たまらなくなり一番身近で開催されている『30年分のコレクション』(国立国際美術館−大阪)へ行ってきました。
この美術館は元々、1970年に開かれた万博の万国博美術館を改修して開館したもので、その後2004年に現在の中之島に移転。この地に移転してからは私も初めての訪問です。
お天気はあいにくの曇り空。。。大阪駅から徒歩20分・淀屋橋駅からは15分と若干交通の便は悪いものの、川沿いの遊歩道を歩きながら、久しぶりの美術鑑賞を楽しみに早足で美術館へと向かいました。

国立国際美術館−大阪
以前車で走っているときに、遠くに見えるあのオブジェは何だろうと思っていたのがこの美術館の外観。完全地下型の美術館で地下3階から鑑賞します。
用事の後に寄ったので閉館まであまり時間がなく駆け足でしたが、イタリア美術紀行から帰国して以来、久しぶりの美術館訪問ということでとても楽しかったです。

現在開かれているのは、わずか14点の作品から始まったこの美術館が、30年の間に収集した約5700点の美術コレクションの中から、400点程を選び展示するという展覧会です。(2008年2月11日まで)

『30年分のコレクション』国立国際美術館
まず最初の部屋には、ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、レオナール・フジタこと藤田嗣治など、この美術館きっての名作である巨匠の絵が並んでいます。
私のお目当ては藤田嗣治。
彼のえがく作品は、猫の習性や表情を的確に捉えた猫好きならではの傑作ぞろい。こちらの美術館の『横たわる裸婦(夢)』もまるでヴィーナスのような女性と眠る動物達が、独特な構図で描かれていています。特に猫はまるで笑いながら寝ているような表情で、全体のパステルカラーもやさしくなんだかほのぼのとします。

そして今回一番の収穫はパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の『道化役者と子供』(Comedien et enfant)に出会えたこと!
美しいスカイブルーが、とても印象的なこの一枚。
スペイン出身の奔放な芸術家ピカソが、人間の孤独感を叙情的に描いたもの。シンプルな色使いと素晴らしいデッサン力、その後さまざまな画風の絵を描き、多作家として知られる彼の基礎の確実さを実感させる作品でした。

また私が興味を惹かれた作家としては、浜田知明
昨年12月にイタリア・フィレンツェのウフィッツィ美術館を訪れた際、2階の一室で彼の作品展が開かれていました。戦争の悲哀を独自の描写で訴えたエッチング作品で、とても心に響きました。その彼の作品『初年兵哀歌(歩哨)』がこの美術館にも所蔵されていて、再び目にすることができるというよい機会に恵まれました。

他にもイタリアの彫刻家マリノ・マリーニやジャコモ・マンズーの彫刻、独自のカラーメゾチスト技法を生み出した浜口陽三の銅版画作品など、とても興味深く見ることができました。
近・現代美術が主な美術展で、古典の好きな私にはとっつきにくいところもありましたが、新たな美術の世界に触れることができ、大々満足♪

他に興味を惹かれた作品を挙げると、アメリカ出身のジム・ダインの『帽子』やクリストの『包まれたポン・ヌフ』(フランスの有名な橋・実際にこの橋を梱包しちゃうプロジェクトが実現したようです)、イリヤ・カバコフ『天使と出会う方法』などなど...
ほんの1時間半ほどの時間でしたが、久しぶりに美術に触れることができストレスも解消!また大好きなミュージアムショップにも立ち寄り、とてもいい時間を過ごすことができました♪また明日から気分一新、頑張れそうです猫
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『狩野永徳展』&京都散歩
今回は京都国立博物館で開催されている、『狩野永徳展』へ行ってきました。
イタリア旅行に備えて『一人歩きを楽しむ♪』&『足を鍛える!』ということで、京都女一人徒歩巡り。そしてさらにデジカメを上手に使いこなせるように撮影練習ですカメラ

いつもは阪急電車で京都に行きますが、今回は博物館に近いJRを利用。
まず駅を出るとこの京都タワーが目の前に、これ好きになれません...
京都タワー
京都駅から徒歩で行けるお寺はというと、まずはこちら東本願寺。
浄土真宗本願寺からの分流大谷派の本山で、お東さんの名で呼ばれています。
境内はとにかく広く、本堂も世界最大の木造建築(来年末まで修復中)。
門ですらこの大きさ!京都三大門のひとつ大師堂門です。

東本願寺 大師堂門
あまりのスケールの大きさに侘び寂びは感じられませんが、
それでも広〜い畳の上に座っていると心静かになれます。(いったい何畳あるんでしょ?)

東本願寺
それでは、博物館に向かって歩いていきます。時間にすると15分程、それ程遠くありません。でもこの日の京都は暑かった〜汗おてんき
で、着ていたカーディガンを脱いで、Bagに引っ掛けていたんですが、いつの間にか落としたみたい!?逆戻りして探したけれど見つからず、お気に入りだったのでちょっとブルーに...くもり(帰りに橋の欄干にかけてあるのを見つけました、ホッニコニコ

博物館に入る前に、お隣にある豊国神社にちょっと寄り道。
こちらの神社は豊臣秀吉を祭る神社、正面の唐門は国宝です。
小さな境内では”豊国さんのおもしろ市”という骨董市が開かれていました♪
アクセサリーを売るおばちゃんに「お姉ちゃん!これっシャネルよ!ティファニーよ!!アンティークよっ」と迫られ、思わずほんまに〜??と突っ込んでしまいました。
LPレコードを売る露天では、エンニオ・モッリコーネの曲がかかり、京都でイタリア発見♪
豊国神社 骨董市
かわいい陶器のGATTI
豊国神社 骨董市のGATTI
秋の味覚”栗”をイガつきで。
豊国神社 骨董市の栗
さてさて、それでは本日のメインイベント『狩野永徳展』です。
桃山時代に生きた日本絵画界の巨匠、狩野永徳の大回顧展、
この展覧会は狩野派の作品を一堂に集め、海外からの里帰り作品、新発見、未公開の作品などを一挙公開した、とっても貴重な展覧会なんです。

信長さま・秀吉さまご推奨!!
    天下をとった絵師、京都に見参。”


このコピーいいですよね?わたし、好きです。

狩野永徳展
せっかくなので、オーディオガイドを利用して観てみることに(1台500円)
まず1作目から国宝『琴棋書画図襖』です!永徳40代の頃の作品、流れるように美しい場面展開、そして力強さと緻密さがないまぜになった描写に惹きつけられます。
隣には父、松栄の虎の親子とヒョウ(当時ヒョウは雌の虎と考えられていたそうです)を描いた作品があり、永徳とは違ったやわらかい筆使いで、竹のさざめきに穏やかな風を感じることができます。
そして虎もかわいいんです、動物が描かれた絵は大好き。
中盤に展示されている永徳の『老松竹虎図』にも虎の親子が描かれていますが、松栄のものと比べるとやはり筆使いが力強く、緊張感のある作品になっています。松栄の絵を涼風とすると、永徳は嵐の前触れといった感じでしょうか。
後半は華やかな作品が続きます。
金箔を多様した金碧障屏画は、桃山時代の武将達の権力の証なのでしょうか、とにかく豪華絢爛です。
その中でも皆さんもきっと教科書で覚えのある細密画、国宝の『洛中洛外図屏風』は一番の人気。永徳23歳頃の作品とみられ、金雲ただよう京の町の中に2485人もの人々を活き活きと描きこんでいます。
そして華やかな色彩で四季を描ききった狩野派の四季花鳥図屏風(こちらはメトロポリタン美術館からの里帰り)、優雅な源氏物語図屏風へと続きます。
そして最後の部屋には壮大な作品『唐獅子図屏風』が!
狩野永徳『唐獅子図屏風』
その迫りくるエネルギーに完全にノックアウト!...素晴らしいの一言です!!
力強く闊歩する二頭の唐獅子、渦巻くたてがみと猛々しい表情、全てがダイナミック。
この頃永徳は、あまりの注文の多さに、緻密な絵を描く事ができなくなっていたといいます。その代わりに永徳の恐るべき才能が凝縮された、この大胆かつ壮大な作品が完成したのでしょう。実物はすごい迫力です!

ちょっとここでイタリアに絡めて見てみると、時の権力者に仕え、大作を残したところはまるでミケランジェロのよう。作品の力強さも似たところがあります。しかし孤高のミケランジェロと違って、絵師の家に生まれ工房を持ち、天下人(信長や秀吉)の肖像や数多くの作品を生み出したところはティツィアーノのようですね。

このところイタリアルネサンス美術にどっぷりはまっていましたが、
今回のこの『狩野永徳展』は、日本の美を再認識できた本当に素晴らしい展覧会でした。

京都国立博物館
帰りにまだ少し時間があったので、世界遺産の西本願寺にも行ってみましたが、もう閉まっていたので境内を少し歩いて帰途につきました。一人ご飯は出来ませんでしたが、一人歩きも中々いいものだなと思えた休日でした。
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絵本〜クリムトと猫〜
先日ボローニャ国際絵本原画展を訪れて以来、絵本の持つ詩的な雰囲気や鮮やかな色使い、豊富な表現方法にすっかり魅せられ、絵本に目がいくことが多くなりました。

そしてその色使いの美しさと”猫”のタイトルから思わず手に取った絵本がこちら
『クリムトと猫』(西村書店)

『クリムトと猫』
オーストリア生まれの画家KLIMT<グスタフ・クリムト>を彼の愛猫が紹介するお話。
実際クリムトがこの猫を抱いてポーズをとった写真も載せられています。
彼は大の猫好きだったようで、8匹も飼っていたんだそうですよ!
この絵本はベレニーチェ・カパッティ(文)とオクタヴィア・モナコ(絵)という二人のイタリア人女性の作品。
特にオクタヴィアのやさしい色彩に金を効果的に使った絵が素敵!クリムトのモザイク風の幾何学模様も取り入れ、かわいらしい宝石のような作品となっています。

『クリムトと猫』
この絵本によると、伝統的な美術を抜け出し、新しい表現を作り出したクリムトは心の広い、やさしい人だったようですね。

これからどんな素敵な絵本に出会えるか楽しみ。
次回イタリアに行く際には、イタリア語の”猫”絵本探してみたいですね。猫
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ボローニャ国際絵本原画展
今日は兵庫県西宮市の大谷記念美術館で、毎年この時期に行われるイタリア・ボローニャ国際絵本原画展<BOLOGNA FIERA DEL LIBRO PER RAGAZZI>に行ってきました。
昨年まで住んでいた西宮を1年振りに訪れ、静かな街並みをなつかしく思いながら、阪神香櫨園駅から美術館へ向かいました。館内は3連休の中日とあって、多くの家族連れでにぎわっていました。

阪神香櫨園駅・大谷記念美術館
この展覧会には、イタリア・ボローニャで開催される絵本原画のコンクールの入選作品85組が展示されています。このコンクールは5点1組で応募され、既に絵本として出版されているものも対象とされるので、とてもレベルの高い作品が選ばれ、その中で今年は日本人が17名も入選したとか。素晴らしいですね。

イタリア・ボローニャ国際絵画原画展
絵本展とあって、やはり一般の美術展と違ってかなりにぎやか子供
私の前方で鑑賞していた男性がしきりと「意味がわからん」を連発していました。それほど絵本といえども、内容が深いといえるのかもしれません。
確かに大人が見ても十分楽しめ、逆に子供には理解できないのではないかと思うものもあります。「大人か子供のどちらかがその絵本を好むことはあてっも、両方に好まれる絵本はめったにない」という言葉にも納得。

私が最も気に入った作品は、イランのアリー・ブーザリーさんの作品
『スイレンの国(The Land of Water−Lilies)』
その透明感のあるやさしい繊細な描写と色使い、穏やかなストーリーが心をうるおしてくれます。もし本として出版されるのであれば、是非全編通して読んでみたいと思いました。
ボローニャ国際絵画原画展『スイレンの国』アリー・ブーザリー
今回はイラン人の方の作品が6組入選していて、大地の色、草木の色、水の色がとても自然に、美しく表現されていたのがとても印象的でした。
イタリア人作家の中ではアレッサンドロ・サンナさんの『動物寓話』が好きですね。シンプルな筆使いで表現された動物たちは、特徴をとてもよくとらえています。
日本人の作品ではエッチングで作られた青木由子さんの作品が素敵でした。

ボローニャ国際絵画原画展『よろこび 綴』青木由子さん
こちらの絵はがきの題名は『よろこび 綴(Le gioie del vivere)』の中の『一服のお茶』。ネズミさんにはかわいそうだけど、とてもかわいいですね!
訪れた人の声を聞いていると、日本人作家神野早織さんの『オムライス男爵』が、カラフルな色使いとコミカルな物語で大人にも子供にも人気のようでした。

やはり印刷された本では味わえない、原画ならではの質感が素晴らしいです。内容も見ていて楽しくなるものが多いので、久しぶりの芸術鑑賞は気分も明るくなり、とても満足しました。
西宮市での開催は9月30日までとなっていますが、この後、愛知県高浜市、石川県七尾市へと巡回するようです。
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