美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
2010.06.24 Thursday 21:19
イタリア出張を終え1ヶ月以上たちますが、好きな美術は完全にお預け状態。根を詰めてもはかどらないし、初回納品を終え少し落ち着いたので行ってきました、美術館へ!
いつもなら限られた時間で一つ何を観ようかと迷うところですが、今回は迷わず兵庫県立美術館で開催中の『レンピッカ展』へ。洋の東西を問わず古典が好きな私ですが、イタリアの我が美術の先輩からお勧め頂いていたレンピッカ、これを見逃してはと行ってまいりました。

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
会期 2010年5月18日〜2010年7月25日
タマラ・デ・レンピッカ(Tamara de Lenpicka 1898-1980)。ワルシャワの良家に生まれ、ロシアとスイスで過ごしたのち結婚。ロシア革命のため、夫と共にパリへ亡命し、”狂乱の時代”と呼ばれる1920年代のパリで活躍した女流画家です。
楽しみにしていたのは、彼女の代表作『緑の服を着た女』。そしてHPを観てこれは?と目を奪われた『ロシア人の踊り子』。

初期の作品として飾られたその踊り子の絵を実際に目にして、やはり実感しました。フェッラーラ派の作風だと。デフォルメされた、アクの強い、強烈に惹き付けられる魅力を発するフェッラーラ宮廷の絵が現代によみがえったようです。
彼女はまだ若い頃、祖母に連れられて訪れたイタリアで、ルネッサンスやバロックの巨匠たちから強い影響を受けたようです。そうして観ていくと、ほとんどの絵に、ミケランジェロやブロンツィーノなどイタリア絵画の巨匠や、ファン・エイクなどフランドル派の影響が見て取れます。現代の絵に過去の面影を探すなど野暮なことかもしれませんが、彼女の絵はそれが明確に見て取れるので、ついつい...。でも、彼女はそれをしっかりと自分のものとして昇華していました。
続く画面からはみ出さんばかりにダイナミックに描かれた人物たちに、かなり夢中になりました。デフォルメされた中にも、写実性が生きていて、かなりドきつい色彩と線描写なのに、そこはかとなく品の良さを感じるのは、やはり彼女の絵のルーツとなっている古典のお陰なのかもしれません。彼女の最初の夫『タデウシュ・デ・レンピッキの肖像』の、上質さがみてとれる装いの表現など見事の一言。

印象に残っている”白の交響曲”ともいわれる『初めて聖体を拝領する少女』は、レンピッカが自身の娘キゼットを描いた作品。白い衣装をまとい、視線を宙に向けるその表情は、まるで宗教画の法悦のシーンのようで。そうしてみると、アール・デコの女性像と言われる彼女の肖像画の人物は皆そうなのかも?

そしてフライヤーにも使われている『緑の服を着た女』。現代で緑をこうまで鮮やかに用いた作品は初めてみたような気がします。こちらも娘キゼットを描いたもの。自分の娘をこれほど官能的に描けるなんて、さすが芸術家。過去の自分を投影し描いたに違いない、という説明文に納得します。
一時期、完全に忘れ去られた彼女ですが、晩年彼女の作品に目を留めた人物がいたことで再び注目され、高い人気を得るようになったということです。そしてこうして世界で、遠い日本で展覧会を開催されるようにまでなるとは、画家の評価とは実力のみならず、運命というものがあるのだと思わせます。それは作品がこの世に残る限り続くのでしょうね。
↓ 美しい絵を観て、浜風を浴びて、心身ともにリフレッシュ!
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いつもなら限られた時間で一つ何を観ようかと迷うところですが、今回は迷わず兵庫県立美術館で開催中の『レンピッカ展』へ。洋の東西を問わず古典が好きな私ですが、イタリアの我が美術の先輩からお勧め頂いていたレンピッカ、これを見逃してはと行ってまいりました。

美しき挑発『レンピッカ展』兵庫県立美術館
会期 2010年5月18日〜2010年7月25日
タマラ・デ・レンピッカ(Tamara de Lenpicka 1898-1980)。ワルシャワの良家に生まれ、ロシアとスイスで過ごしたのち結婚。ロシア革命のため、夫と共にパリへ亡命し、”狂乱の時代”と呼ばれる1920年代のパリで活躍した女流画家です。
楽しみにしていたのは、彼女の代表作『緑の服を着た女』。そしてHPを観てこれは?と目を奪われた『ロシア人の踊り子』。

初期の作品として飾られたその踊り子の絵を実際に目にして、やはり実感しました。フェッラーラ派の作風だと。デフォルメされた、アクの強い、強烈に惹き付けられる魅力を発するフェッラーラ宮廷の絵が現代によみがえったようです。
彼女はまだ若い頃、祖母に連れられて訪れたイタリアで、ルネッサンスやバロックの巨匠たちから強い影響を受けたようです。そうして観ていくと、ほとんどの絵に、ミケランジェロやブロンツィーノなどイタリア絵画の巨匠や、ファン・エイクなどフランドル派の影響が見て取れます。現代の絵に過去の面影を探すなど野暮なことかもしれませんが、彼女の絵はそれが明確に見て取れるので、ついつい...。でも、彼女はそれをしっかりと自分のものとして昇華していました。
続く画面からはみ出さんばかりにダイナミックに描かれた人物たちに、かなり夢中になりました。デフォルメされた中にも、写実性が生きていて、かなりドきつい色彩と線描写なのに、そこはかとなく品の良さを感じるのは、やはり彼女の絵のルーツとなっている古典のお陰なのかもしれません。彼女の最初の夫『タデウシュ・デ・レンピッキの肖像』の、上質さがみてとれる装いの表現など見事の一言。

印象に残っている”白の交響曲”ともいわれる『初めて聖体を拝領する少女』は、レンピッカが自身の娘キゼットを描いた作品。白い衣装をまとい、視線を宙に向けるその表情は、まるで宗教画の法悦のシーンのようで。そうしてみると、アール・デコの女性像と言われる彼女の肖像画の人物は皆そうなのかも?

そしてフライヤーにも使われている『緑の服を着た女』。現代で緑をこうまで鮮やかに用いた作品は初めてみたような気がします。こちらも娘キゼットを描いたもの。自分の娘をこれほど官能的に描けるなんて、さすが芸術家。過去の自分を投影し描いたに違いない、という説明文に納得します。
一時期、完全に忘れ去られた彼女ですが、晩年彼女の作品に目を留めた人物がいたことで再び注目され、高い人気を得るようになったということです。そしてこうして世界で、遠い日本で展覧会を開催されるようにまでなるとは、画家の評価とは実力のみならず、運命というものがあるのだと思わせます。それは作品がこの世に残る限り続くのでしょうね。
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