■ Search

■ Category
■ Latest Entry
■ Recent Comment
■ Archive
ロレンツォ・ロット〜カッソッティ家の婚姻〜
今回、久しぶりの『絵画の中のジュエリー』は、ロレンツォ・ロットのユニークな作品から。ロットの作品は、一見古典的なようでよく観るとなかなかモダン。ティツィアーノやヴェロネーゼ等、ヴェネツィア派の華やかな巨匠と比べるとやや地味な感がありますが、なんとも意味深長な描写、そしてユニークな表現は飽きることがなく、彼の絵の意味を読み取るのはとても楽しいです。今回ご紹介するのは彼の指輪にまつわる作品です。

まだ若く初々しい、最新ファッションに身を包んだお洒落なカップルの肖像画。

ロレンツォ・ロット【カッソッティ家の結婚】
【I coniugi Cassotti 〜 カッソッティ家の婚姻】
プラド美術館(マドリッド・スペイン 1523年)

この男性はマルシリォ・カッソッティというベルガモの裕福な布商人の息子で、妻となるファウスティーナに今まさに指輪をはめようとする場面。この時代、指輪の交換は結婚の儀式の一つではなく、婚約を表す行為でした。

当時の肖像画は描かれた人物が不明なことが多いのですが、彼女がファウスティーナであると明らかにするのが、一つのジュエリーの存在です。

ロレンツォ・ロット【カッソティ家の婚姻】
彼女の首にかけられカメオのペンダントトップ、これは古代ローマ皇帝アントニウスの奥方ファウスティーナのプロフィール(横顔の肖像)。ここに画家は、彼女の名がファウスティーナであると暗に示しているのです。そして、真珠のネックレスは花嫁の純潔を意味します。そしてさすが布商人の御曹司だけあって、二人の衣装は大変ゴージャス。たっぷりと取った生地は光沢も美しく、襟や袖口に施されたレースはとても品良く繊細。帽子も洒落ていますね。

ロレンツォ・ロット【カッソティ家の婚姻】
花婿が指輪をはめようとしているのは、花嫁の薬指。これは現代にも受け継がれていますが、左手の薬指は古代エジプトより愛の血管が心臓まで繋がっているということで、男女の絆の証の指として結婚指輪はこの指にはめるのが伝統的。

それにしても、ふっくらとした頬とくりっと丸い目が印象的な二人の背後で、意味深長な笑みを浮かべるクピドの存在が奇妙でなりません。幸せな二人の肩に、まるでくびきをかけるように木を背負わせています。これはこの絵をロットに依頼した商人である父親が、息子のことをとても誇りに思う、けれどあえて彼にその責任の重さを感じさせたい、という意図のようです。美しいカラーの羽根を持つクピドのちょっと意地の悪い笑みは、二人の前途を祝福するというよりも、まだ暢気さが抜けぬお坊ちゃま風の彼を試すような、あるいは皮肉るような表情。こういう表現はいかにもロットならでは、類い稀な婚姻の肖像画です。


↓ ポチっ!とクリックお願いしま〜す猫

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ

| Ayumi | 絵画の中のジュエリー | comments(1) | - |
映画【カラヴァッジョ】
休日の今日、映画【CARAVAGGIO〜カラヴァッジョ】を観てきました。
平日のお昼間とあって、小さな映画館でゆったりと観賞することができました。

映画【カラヴァッジョ】
ストーリーについて詳細は書きませんが、あくまで史実に基づいて作成された映画ですので、予想外の展開や驚きの結末はありません。でもあの絵やあの作品が続々と登場し、それはもうカラヴァッジョファンにはたまらないと思います。さすが、ヴィットリオ・ストラーノ。カラヴァッジョの作品に表れる光と影のコントラストを見事に表現していました。彼の『ラスト・エンペラー』は繰り返し観るほど好きな映画です。

私自身はカラヴァッジョファンではありませんが、あの絵はこんなシチュエーションで描かれたのか、ととても興味深く、何より美男美女のオンパレードで、よくぞそれぞれの絵のモデルに似た俳優さんを探したものだと感心することしきり。何より、初期のあの【果物籠を抱く少年】等のモデルであるマリオ、めっぽう好みです。この時代の髭を蓄えた男性人の中で(髭が苦手です)、まだ少年らしさを残した彼。これまで、カラヴァッジョの少年像が苦手でしたが、ちょっと印象が変わりました。特に【とかげに噛まれた少年】のシーンが良かったなぁ。

美しい女性陣の中では、やはりコロンナ侯爵夫人の存在が一番大きいでしょうか。彼女が身につけたジュエリー、とても落ち着きと品があって見事でした。カラヴァッジョが親愛の情を抱いた年上の女性。私の好きな『夏の嵐』のアリダ・ヴァッリにも少し似ていて、熟女の魅力溢れる美しい人でした。刻まれた皺も美しい年上の女性。う〜ん、こんな女性になりたい!

それにしても、つくづくカラヴァッジョは貴重な庇護者に恵まれていたんだなぁと。それを思うと彼に言いたい、「こんなけ周りが心配してんねんから、もちょっと自重しいやぁ」と。
激情型の性格が作品に幸いしたのか、人生には災いとなったのか。いずれにしても、世界中の人を魅了するものを残した彼はすごいです。


カラヴァッジョとコスタンツァ・コロンナ侯爵夫人について、ルネサンスのセレブたちのcucciolaさんが大変興味深い記事でご紹介されています。
【カラヴァッジョを庇護し続けたコロンナ家の女】


↓ ポチっ!とクリックお願いします猫

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ

| Ayumi | イタリア美術 | comments(7) | - |
アートの中の猫【猫と鳥】モザイク画
前回のローマ町巡りで教会のモザイクをアップし、またモザイクに対する興味が溢れてきたので、今回は以前ご紹介した【アートの中の猫】という本の中から、モザイク画に登場する猫をご紹介します。

【Gatti nell’Arte】 Stefano Zuffi著

モザイク画【猫とカモ】ナポリ
【Gatto e anatre 〜 猫と鴨】 ナポリ・国立考古学博物館

古代遺跡に残る動物を表現した作品の中で、最も有名なものの一つがこのヤマウズラの狩に夢中になる猫のモザイク画。このシーンの下部分には二羽のカモ、そしてたくさんの魚貝類が描かれています。Opus vermiculatumという、テッセラ(モザイクに用いる石の小片)を使って輪郭を描く技法を上手く用いることで、作者は攻撃的な捕獲の瞬間、獲物に向けた鋭い眼、猫の狩りの様子を写実的に描いています。

このモザイク画は約53cm四方の作品ですが、その小さな画面に、猫の美しい毛並み、鳥を捕まえる動作で出来る背やしっぽの毛皮の流れに至るまで、絶妙な配列で見事にはめ込まれたテッセラの細やかさで、猫の姿を見事に正確に捉えています。

この”石の絵画”には非常に薄い度合の色調が使われ、まるで静物画のような風合い。猫も見事なのですが、魚貝類の描写もまた素晴らしく、とても豊かな印象を受けます。確かアクイレイアのモザイクにも、漁の風景を描いたモザイク画があり、その中でもタコの描写がとってもユニークだったことを思い出します。

この有名なモザイク画は、その部屋の雰囲気を決める”Emblemata”(小さな正方形のモザイク画)で、おそらく部屋の床の中央を飾っていたと思われます。
的確に猫を表した他の大変貴重なモザイク画と同じく、紀元前2世紀半ば頃、恐らくポンペイの居住地で最も有名なCasa del Fauno(ファウヌスの家)を飾っていたもの。ここはあの【アレクサンドロスとダリウスの戦い】のモザイク画があった邸宅です。

モザイク画【アレクサンドロスとダリウスの戦い】ナポリ国立考古学博物館
古代ローマ時代のヴィッラなどを飾ったモザイク画は、そののち教会を飾る金色の厳かなモザイク画とは異なり、躍動感と生気に溢れ、とても魅力的です。

モザイク画【二羽のオウムとハトのいる噴水】ナポリ考古学博物館
【Fontana con due pappagalli e una colomba〜二羽のオウムとハトのいる噴水】 ナポリ考古学博物館

こちらも紀元前80〜60年頃のモザイク。今にも鳥に飛び掛ろうとするそのポーズ、立てた爪まで詳細に表現されています。野生の本能むき出しの猫の姿ですね。この作品の主役は、猫よりもオウムたちのようですが、鳥のいるところ猫は欠かせないといったところでしょうか。

それにしても、我が家のUnoにもこのような狩人の本能が残っているのかなぁ。ベランダから夢中で鳥を眺める家猫の彼が、少し不憫に感じられます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

本業の仕事がとにかく忙しいこの季節、いつも思うのが『一日36時間欲しい!』ということ。少しでも時間を作って、せめて後退しないようにとイタリア語に触れるようにしていますが、通勤電車では熟睡し、夜にはすっかり疲れきった脳はなかなか反応せず。ぼんやりと画集など眺めています。いつかゆっくり時間ができたら、この本を一日一記事ずつ訳してみたいなぁと思っているのですが。


美術に登場する猫については、リンクいただいている『ルネサンスのセレブたち』のcucciolaさんが楽しくまとめていらっしゃいます♪
【猫をめぐるお話】


↓ ポチっ!とクリックお願いします猫

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ

| Ayumi | イタリア美術 | comments(3) | - |
ローマ劇場〜サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会のモザイク
前回に続き、トラステヴェレにあるサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会を。内部に入るまでに、すでに味わい深いロマネスクのキリスト教美術を堪能した我々ですが、中に入ると再びその重厚な芸術への驚きに包まれます。

ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会内部
バジリカ様式の教会に入るとまず眼を奪われるのが天井。珍しいデザインの格子天井、その中央に描かれているのは、ドラマティックなドメニキーノ作【聖母被昇天】


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の後陣
そして朝の光がたっぷりと差し込むこの時間、キラキラと輝くモザイクに誘われ、奥へと進みます。アプシスに描かれた表現豊かなモザイクをアップで観てみると...


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の後陣モザイク
中央には金色に輝く【聖母子と諸聖人】が。この衣の表現は見事、特に聖母の衣装のデザインが非常に凝っていますね。玉座の宝石の描写も美しい、とても荘厳なモザイク画です。あとで本を読んで気づきましたが、キリストの手が聖母の肩にかけられているのですね。まるで守られるようなその仕草、そして若々しい聖母マリアはまるで妹か娘のように見えます。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の後陣モザイク
このビザンチン風モザイクをさらに詳細に見ていくと、聖母子の頭上に描かれた図柄がなんとも面白い。これは何を表現しているのか?非常に抽象的ですが、なかなかユニークです。この辺りはこれからじっくりと調べてみたいところ。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の後陣モザイク
そして、教会のモザイクによくみられるのがこの羊の絵。ここではキリストと12人の弟子を表していますが、この羊たちがいつも固い宗教画にほのぼのとした雰囲気を醸し出すのです。でもこうしてようく観てみると、結構分別顔なのですね。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の後陣モザイク
さらにその下の部分と勝利門には【マリアの生涯】が表現されています。これは13世紀のピエトロ・カヴァッリーニ作で、チマブーエやジョットの絵画を彷彿とさせる描写力。実際彼らの世代に大きな影響を与えたとか。
また後陣の左奥にある礼拝堂には、7世紀の貴重なイコンが残されています。

さて、荘厳なモザイクを堪能したら、再びトラステヴェレの町へと歩き出します。


↓ ポチっ!とクリックお願いします猫

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ

| Ayumi | ローマ劇場 | comments(6) | - |
ローマ劇場〜サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
今日からいよいよローマのScuderie del Quirinaleで、カラヴァッジョ展が始まります。次回の訪伊では、折角なのでこの展覧会訪問を予定に入れていますが、さてどうなりますか。会期は2010年6月13日まで。

ローマを思い出したついでに、久しぶりに街めぐりを。
数回にわけて、トラステヴェレ地区にあるいくつかの教会をご紹介してまいります。

まずはテルミニ駅からバスH番に乗り込み、車窓からヴェネツィア広場の大仰な記念堂を仰ぎ、マルチェッロ劇場の古き美しき姿を眺めながら、テヴェレ川を渡ります。そして着いたところがトラステヴェレ。ソンニーニ広場でバスを降り、ツタの絡まる秋を感じる風景の中、西の方向へ歩いていくと、広場へ出ます。眼に飛び込んできたのは、印象的な噴水と、今まさに朝日を浴びようとする教会のファサード。朝一番のサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の清々しい姿です。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
この教会の創建はなんと4世紀。但し、現存の建物は12世紀に再建されたものだそうです。それでももう800年以上、こうしてこの場所に佇んでいるのですね。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
なんといってもファサードが個性的。12世紀モザイクのフリーズ『玉座の聖母子』は、ランプを持った聖女が5人ずつ、聖母子を祝福するように左右を囲んでいます。とても温かみのある図像で、一目で好きになりました。上部破風部分にはフレスコ画が描かれているようですが、こちらは残念ながらかなり痛みが激しいようです。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
そして教会の背後に堂々とした姿でそびえる鐘楼も、この教会建築の調和には欠かせません。ロマネスク様式の、どことなく異国的な雰囲気も漂う鐘楼にも小さな聖母子像が。ちゃんと小さな雨よけが付いているところが、なんとも微笑ましいのです。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
そしてこの柱廊玄関をくぐると、教会の壁のレリーフに惹きつけられます。これらはいつの時代のものなのか、古代?あるいは中世のもの?所狭しと飾られたたくさんのレリーフ、なんとまぁ素敵な味わいがあるのでしょうか。


ローマ サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
そのあくまで素朴な表現は一つ一つ眺めても、飽きることがありません。
とはいえ、まだまだ観るべきものがたくさんあるこの教会、先へ進むとしましょう。
次回は教会内部をご紹介いたします。


↓ ポチっ!とクリックお願いします猫

にほんブログ村 旅行ブログ イタリア旅行へ

| Ayumi | ローマ劇場 | comments(7) | - |
■ Calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< March 2010 >>
■ Profile
いくつになっても輝ける女性を目指して、日々奮闘中。
ショップでは、イタリアの品々に囲まれて、皆様のご来店お待ちしております♪


イタリアンセレクトショップ
BELLADONNA



黒猫のイタリア旅日記


■ Links